【Yahoo!ニュース エキスパート】編集部が選ぶ12月の月間コメンテーターコメントが決定 #MVC
Yahoo!ニュース エキスパート コメンテーター編集部が選ぶ、12月の「コメンテーターMVC(Most Valuable Comment)」が決定しました
専門家ならではの解説・補足により、「ニュースに対する新しい視点や気付きが得られる」「社会の課題を伝え、議論を喚起し、解決を促進している」コメントを選出する「コメンテーターMVC」。厳選した3本のコメントを、筆者の受賞コメントとあわせてご紹介します。
今月の受賞者
・今野晴貴さん
・高橋浩祐さん
・鶴岡路人さん
MVC受賞コメントとあわせて、選出理由と受賞者のコメントをご紹介します。
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■『スーパーのレジ、店員が座ったらダメですか? イス設置求め、学生が運営会社と交渉(弁護士ドットコムニュース)』の記事へのコメント(今野晴貴)
スーパーのレジにイスの設置を求める大学生の会社への働きかけをめぐる記事に対するコメントです。
編集部の選出理由:
働きやすい職場環境の実現を求める声が強まる昨今、労働者の権利行使がその突破口になり得ると訴える筆者。記事内の大学生の取り組みを通じて、賃金アップの交渉やストライキなどだけではない、労働組合が果たせる役割と意義について解説しています。
今野晴貴さんの受賞コメント:
国内外でインフレ対応が求められる中で、ストライキが頻発するようになっています。日本国内においても、労使紛争の合理的な解決ニーズが高まっているといえるでしょう。また、労働組合法は賃金問題に限らず、あらゆる労使紛争を解決し、社会を効率化するための合理的な手段を提供しています。例えば、昨今注目が高まるハラスメント問題の解決でもその効果を発揮しています。この知識が労使に広がり、社会問題・労働問題の解決が進むことを願っています。
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■『日本側回収の残骸、米に引き渡し 屋久島沖オスプレイ墜落(共同通信)』の記事へのコメント(高橋浩祐)
屋久島沖でのオスプレイ墜落事故をめぐり、日米地位協定に基づいて回収した機体の一部が米国側に引き渡されたニュースに対するコメントです。
編集部の選出理由:
日米地位協定においては、米軍機の事故が日本の領土・領海で起きても米側の同意がなければ差し押さえすらできない。そんな現状の中でも、日本政府としてできること・すべきことの提言は、ユーザーの気づきにつながり得るものでした。
高橋浩祐さんの受賞コメント:
月間MVCの受賞は初めてで嬉しい限りです。日米地位協定については重要な問題点をまとめて書かせていただきました。米軍のオスプレイ墜落事故報告書には、同機を運用する日本として知らなければならないことばかり書かれています。例えば、米海兵隊は一昨年に起きた墜落事故について、クラッチが戻る際に衝撃が生じる「ハード・クラッチ・エンゲージメント(HCE)」が原因と特定したのですが、その「HCEを起こす根本原因は依然として不明である」と認めるなど日本として見逃せない記載もありました。今後も自ら注視していきたいと存じます。
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■『「最も激しい」反撃、24人死亡 ウクライナ空爆翌日、戦火に危機感 ロシア西部(時事通信)』の記事へのコメント(鶴岡路人)
昨年末に激化したロシア軍とウクライナ軍の長距離攻撃の応酬により民間人に多くの死傷者が出た攻撃についてウクライナの状況を補足したコメントです。
編集部の選出理由:
2022年2月のウクライナ侵攻開始以来、ロシア国内で最大級の民間人の避難となったロシア西部の都市ベルゴロドへの攻撃について、ウクライナ当局が関与を明らかにしていない理由や標的を軍事施設以外にした際の国際法上のリスクなどウクライナが置かれている状況をわかりやすく補足し、ユーザーがニュースを深く理解することにつながる筆者ならではのコメントになっています。
鶴岡路人さんの受賞コメント:
ウクライナへの世間の関心が低下しているようにみえる中、月間MVCの受賞はありがたく、心強くもあります。ウクライナにとっての難しい課題は、「ロシアとは違う」ことを示し道徳的に優位に立ち続ける必要と、「きれいごとだけでは戦えない」との現実をどう両立させるかです。国際世論において「どっちもどっち」だと思われたら、ウクライナは不利になってしまいます。メディアの論調自体が戦場なのです。それゆえ、重要なことはたとえ繰り返しでも発信し続ける必要があると考えています。引き続きよろしくお願いいたします。
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Yahoo!ニュース エキスパートのコメンテーター「MVC」は、毎月中旬に「Yahoo!ニュース エキスパート公式」の記事で発表しています。
オーサー記事から選ばれる「MVA」も同時に発表していますので、ぜひあわせてご覧ください。