【参議院選挙】選挙の常識!圧力団体や労働組合などが支援する組織内候補って何?
いよいよ参議院選挙が近づいてきました。とくに参議院選挙の比例代表には圧力団体の組織内候補が立候補するケースが多いようです。そこで、今回は圧力団体や組織内候補について解説していきます。
圧力団体を簡単に説明すると、自分たちの団体の利益を図るために政治に対して組織的に影響力を及ぼす団体のことです。
そして、組織内候補とは圧力団体や労働組合などが自分たちの掲げる政策を実現するために国会や地方議会に議員を送り出すために用意した自前の候補者のことです。
自民党の主な圧力団体である全国土地改良事業団体連合会(全土連)は、今回の参院選比例代表に元農水省課長を擁立します。その他にも日本医師会、日本診療放射線技師会、日本理学療法士協会、全国老人福祉施設協議会、日本臨床衛生検査技師会、全国郵便局長会、全国農業者農政運動組織連盟(全国農政連)など自民党の候補者の大半は圧力団体の支援を受けています。
高齢化などで組織力が衰えてきたとはいえ、圧力団体が比例代表で票を掘り起こし、自民党の議席獲得に貢献する代わりに、当選した政治家を通じて影響力を行使するという「政と業」の関係は、長年の批判をよそにまだ続いているのです。
それでは民進党はどうでしょうか?
民進党には労働組合の組織内候補がいるのです。
日本労働組合総連合会(連合)は今回の参院選比例代表に過去最多の12人を民進党公認で立候補させます。2013年の参議院選挙の比例代表では旧民主党は7議席の獲得にとどまり、2010年の16議席から半分以下に落ち込みましたが、当選者のうち6人は労働組合の出身者が占めました。候補者名簿の登載順ではなく、個人名票が多い順に当選する非拘束名簿式のもとで労働組合の存在感は際立っています。
厚生労働省の調査によると労働組合の2015年の推定組織率は17.4%と5年連続で減少しています。今年5月末には大手化学メーカー各社の労組で構成する化学総連が連合から離脱しました。しかし、民進党は労働組合の支援が欠かせないため、「労組依存」が強まるジレンマを抱えているのです。
このように集票力のある経団連、日本医師会、農協、労働組合などの圧力団体はたくさんの組織内議員を国会に送り込んでいるのです。つまり圧力団体の発言は政党も無視できない影響力を持っているのです。
ということで「この候補は関係ありそう」とか、「あの団体のこの候補は止めとこう」など、投票の参考にしてみてください。
こちらの記事もご覧ください。