Yahoo!ニュース

エンジェルスの捕手、カート・スズキが今年限りで引退。今月の出場はなく、来月の誕生日で39歳

宇根夏樹ベースボール・ライター
左から、水原一平、カート・スズキ、大谷翔平 May 29, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 先月の28日を最後に、カート・スズキ(ロサンゼルス・エンジェルス)は、試合に出場していない。来月の4日には、39歳の誕生日を迎える。

 欠場は、祖父の葬儀に出席するため、ハワイに戻っていたのも、理由の一つだ。今月3日から9日まで、死別リストに入っていた。だが、すでに復帰から9試合が過ぎ、10試合目の9月20日も、これを書いている時点では出場していない。

 今シーズンの出場は、48試合に過ぎず、短縮シーズンの2020年(33試合)に次ぐ少なさだ。2007年のメジャーデビュー以降、他の14シーズンは、少なくとも68試合に出場してきた。また、シーズンOPSは、3年続けて下降している。.809→.745→.636→.562だ。

 オレンジ・カウンティ・レジスターのジェフ・フレッチャーによると、スズキは引退について、「その時が来たと思う」と語ったという。

 バスター・ポージージョー・マウアーのようなスーパースターではなかったものの、スズキは、長年にわたってマスクをかぶってきた。捕手としての出場1537試合(途中出場を含む)は、歴代32位に位置する。ポージーとマウアーは、それぞれ、2012年と2009年にMVPを受賞したが、捕手出場は1093試合と921試合だ。捕手出場1000試合以上の現役選手は、2180試合のヤディアー・モリーナ(セントルイス・カーディナルス)と1537試合のスズキに、1104試合のサルバドール・ペレス(カンザスシティ・ロイヤルズ)しかいない。

 オールスター・ゲーム選出は1度。ミネソタ・ツインズ時代の2014年に選ばれた。ワシントン・ナショナルズ時代の2019年には、ワールドシリーズに出場し、第2戦にジャスティン・バーランダー(ヒューストン・アストロズ)から勝ち越しのホームランを打ち、優勝も味わっている。通算安打は1420本、ホームランは143本、二塁打は295本。いずれも、ポジションを問わず、ハワイ生まれの選手では最も多い。ちなみに、スズキに次ぐのは、1274安打、108本塁打、231二塁打のシェーン・ビクトリーノだ。

 フレッチャーと同じ、オレンジ・カウンティ・レジスターのJ.P.ホーンストラによれば、フィル・ネビン監督代行は、あと1試合か2試合、スズキを出場させるつもりでいるらしい。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事