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サンウルブズ、痛い星落とす。スーパーラグビー参加継続問題について質疑。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
スクラムでは判定にも泣いた。(写真:松尾/アフロスポーツ)

 国際リーグのスーパーラグビーに日本から参戦するサンウルブズは3月16日、東京・秩父宮ラグビー場でレッズに31―34で競り負け、1勝4敗となった。2勝目は掴めなかった。

 かねてより2021年以降のスーパーラグビー参加継続について議論されているサンウルブズは、前半を21-5とリードも後半は防御を乱して逆転負け。

 試合後、スコット・ハンセンヘッドコーチ代表(ディフェンスコーチ)とジェイソン・エメリーが会見した。質疑のなかで、前日にニュージーランドであった銃乱射事件についても語った。

 以下、共同会見時の一問一答(編集箇所あり)。

――規律が改善点となった様子だが。

ハンセン

「というよりも、レッズが勢いに乗ったプレーをしたことで我々がプレッシャーを受け、悪い判断をしてしまう場面が多かった。相手の勢いがよかった」

――ハーフタイムはどう過ごしたか。

ハンセン

「リーダーが中心になりコネクションを取り、良くまとまれた。キックオフレシーブからいいエグジット(キックによる自陣脱出)をして、いいチェイスラインでプレッシャーをかけようと話していました。ところが左エッジ(端)にチャンスがあると思って攻めて、ターンオーバーを食らって圧力がかかりました。そうして残念な後半となりましたが、レッズが素晴らしいチームだったというのも大きい」

――後半、サンウルブズの防御ラインが破られるシーンが目立ちました。レッズの攻撃に変化があったか、もしくはサンウルブズの防御に乱れがあったか。

エメリー

「前後半ともやろうとしたディフェンスが同じだったが、こちらがタックルテクニックでミスを犯してレッズの勢いを出し、やりたいことができなくなった。相手が自信を持っていいプレーをしようとするなか、私たちは悪い判断をしたり何回もペナルティーを犯したりして、陣地も取られた。最後は、強いセットピースで行かれました(相手はスクラムとラインアウトモールで優勢に立った)」

――今季2戦目以降接戦も、勝ち星少ない。原因はどこに。

ハンセン

「一貫性が大事。皆は頑張っているのだが、頑張りすぎるところで入らなくていいラックに入るなど、悪い判断をすることが多い。姿勢はいいのだが、頭を使ってプレーするのが大事。周りを信じ合って15人でプレーすれば、いい結果を残せると思います」

――後半途中から、昨夏の暴行事件のため自粛を余儀なくされていたアマナキ・レレイ・マフィ選手を投入しました。

ハンセン

「ずっとラグビーをしていなくて、ラグビーをしたい気持ちが強かったと思う。彼が大好きなラグビーができて、我々も嬉しく思う。自分のプレーをレビューしどこを改善できるか、一緒に話し合いたい」

――前日、ニュージーランドのクライストチャーチのモスク2カ所で銃乱射が起きました。試合前には両軍での黙とうがおこなわれました。

ハンセン

「サンウルブズを代表して、クライストチャーチに応援のメッセージを送りたいです。チームにはクライストチャーチ出身選手や、クライストチャーチに子どもが住んでいる選手もたくさんいます。彼らは辛かったと思います。ラグビーができることは幸運だと、皆、昨日のことで分かったと思います。そのなかで、力を与えたい」

――スクラム、ラインアウトはどう見たか。

ハンセン

「ラグビーはシンプルなゲーム。相手のやることにどう対応するかが大事。それがうまくできなかった。レフリー、相手にどう対応するか。その点で成長しなくてはいけない」

――2021年以降の参加継続について、議論がなされています。

ハンセン

「将来のことはグループ(関係各所のことか)と話し、まず明日のこと、コントロールできる事に集中します。コントロールできる事とは何か。来週のシンガポールでのライオンズ戦に向け、どう準備するかです。このチームが好きな人はたくさんいて、このチームを残すために努力をしている人もたくさんいる。そこでサポートできることは、できるだけしたいです」

 チームは試合後、日本代表候補が集まるラグビーワールドカップトレーニングスコッドキャンプ組との選手の入替を発表。代表強化とチームの存在価値向上のため、日々を過ごす。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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