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台風16号は連休明けに本州接近のおそれ 連休中は秋雨前線の大雨に警戒

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風16号の進路予想図

台風16号は、非常に強い勢力で、あす17日に沖縄の先島諸島へ接近する見通しです。九州~本州への接近は当初の予報より遅くなりましたが、連休中も秋雨前線によって大雨の降るおそれがあります。

接近時期のカギをにぎる「カーブ」

台風16号の影響で、石垣島など先島諸島は、あすにかけて暴風や高波など大荒れとなります。

台風はその後、東シナ海でカーブします。まだ予報に幅があるものの、連休明けの20日(火)に九州付近へ進み、21日(水)頃に関東など東日本に近づくおそれもあります。 

台風は、カーブする際に速度が落ち、時間がかかるものですが、今回の16号は当初の予報よりカーブが大回りになったことで、本州付近への接近が遅れることになりました。

運動会でトラックを走る際に、大回りになるほど時間がかかり、もたつくのと似ているかもしれません。

今後、さらに大回りでカーブするようなことがあれば、台風は北上のタイミングが遅れたり、大陸の近くで弱まったりする可能性もあります。

台風接近が遅れることで長引く秋雨

17日(土)夜の雨の予測。
17日(土)夜の雨の予測。

現在、本州付近には、秋雨前線が停滞しています。

秋雨前線付近は、水蒸気の通り道となっていて、次々と発生する雨雲が西から東へ流れます。

秋雨前線が水蒸気の川なら、台風は上流のダムのようなものです。台風16号が東シナ海でもたつくと、そのぶん、雨雲のもととなる水蒸気を、秋雨前線に流し込み続ける時間が長引くことになります。

17日(土)昼過ぎの天気分布予報。
17日(土)昼過ぎの天気分布予報。
18日(日)昼前の天気分布予報。
18日(日)昼前の天気分布予報。
19日(月・敬老の日)昼前の天気分布予報。
19日(月・敬老の日)昼前の天気分布予報。

この連休中も、九州~東北南部は秋雨前線で曇りや雨のところが多く、局地的に大雨のおそれがあります。

大雨の場所のしぼり込みは難しいものがありますが、大雨のリスクがあると知ったうえで、行き先の詳細な予報を調べ、いざ大雨が近づいた際に回避できる備えをしておいていただきたい連休です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

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