負の北極振動 年末にかけ、寒さ・大雪に備えを
12月に入り、断続的に寒気が流れ込むようになりました。最新の2週間気温予報によると、年末にかけて、冬型の気圧配置が強まり、一段と寒くなる可能性があります。
負の北極振動
冬が本領発揮、そのポイントは北極から南下する寒気です。大気の流れには北極付近で寒気をため込む時期と寒気を放出する時期の2つがあり、冬の間に、蓄積と放出を何度か繰り返します。これを「北極振動(Arctic Oscillation)」といい、正の場合(positive phase)は寒気をため込む、負の場合(negative phase)は寒気を放出するという意味です。
見分け方は北極付近が青だったら「正」、赤だったら「負」です。こちらは年末にかけての北半球の予想天気図です。
北極付近が赤くなっているので、寒気が放出される「負の北極振動」であることを表しています。今後、寒さや大雪が続く可能性が高いと読み取れます。
とくに、山陰、近畿日本海側、北陸、岐阜県山間部、長野県北部、群馬県北部では23日頃から、雪の降り方が強まる見通しです。
さらに、クリスマス頃も一段と寒くなる予想に変わってきました。2週間気温予報の精度は高いので、今後多少の変化はあったとしても、気温が低くなる傾向に違いはないでしょう。
数年に一度の寒気で
年末に近づくにつれて寒くなるのは当然ですが、昨年(2021年)はクリスマス過ぎから、急に寒さが厳しくなり、26日は東京で初雪が降りました。
12月としては数年に一度クラスの寒気は西日本を中心に影響が大きく、鳥取県や滋賀県では激しい雪のため、車の立ち往生が発生、またJR琵琶湖線が運転を見合わせるなどの影響がありました。
これからは何かと慌ただしく、予定が多いものです。今のうちに寒さや大雪を見越した準備をするといいと思います。
【参考資料】
気象庁:2週間気温予報(解説資料)2022年12月17日