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なぜ若者の間でSNS相談が増えているのか?【解決策あります】

赤田太郎の仕事に役立つ心理学常葉大学(静岡県)准教授 博士(教育学)公認心理師臨床心理士
  • 誰かに相談したいけど、友達や家族には知られたくない。
  • 人に話を聞いてほしいけど、対面は苦手。
  • コロナの影響で相談を直接聞いてもらうことが減った。

今、こういう悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。

『色んな事情で人に直接相談をするのが難しい』『今すぐに話したい』そんなときに役立つのが〈SNS相談〉です。

そこで、この記事では、〈SNSとは何か〉〈SNS相談の窓口にはどんなものがあるのか〉についてお話していきます。

SNS相談とは何か?

SNS相談とは、対面で話を聞くのではなく、スマートフォンやパソコン等の電子端末からウェブチャット、LINE、Twitter、Facebook等のSNSと呼ばれるツールを使って相談する方法のことです。

なかなか人にはいえない悩みも匿名で相談することができます。また、相談先によっては24時間相談の受付を行っているところもあるため、時間に関係なく、話をきいてほしいと思った時に直ぐに相談することができるというメリットがあります。

ウェブチャットもリアルタイムでやり取りができるものがほとんどで、対面に近いかたちでスムーズに話を聞いてもらえることが期待されます。

また、厚生労働省が推薦する相談窓口のなかには、相談内容によって必要と思われる機関に繋げてくれる、仲介役を担っている所ようなところもあります。

こういったメリットがある一方で、情報の取捨選択や情報源の信憑性、支援者の質の保証といった課題もあることは、留意しなければいけません。

どのような人が相談しているのか?

21年版自殺対策白書で発表されたものとして、自殺対策事業の一環として4民間団体が2020年度にSNS(交流サイト)で行われた相談件数は、延べ6万3028件にものぼっています。相談方法はLINE(ライン)やツイッター、チャットです。

その白書によると、相談者の年代は19歳以下が39.1%、20代が35.4%と若年層が四分の三を占めています。若年層にとって、SNSで相談することが身近になっていることがうかがわれます。また、男女別では女性からの相談が約9割になっており、女性にとって相談しやすいものの、男性にはまだ高いハードルになっている状況にあります。おおよそ1回の相談でかかった時間は30~60分が39.9%、60~90分が25.1%となっています。やり取りについて一定の時間がかかるために、一般的な相談時間よりも長くなる人が多い印象です。

相談内容では、心のしんどさや体調が悪化する「メンタル不調」が2万7287件で最も多く、死にたいと思う「自殺念慮」が2万1324件、家族との人間関係については1万4997件と、多くの人が人には相談できない内容を相談していることが分かります。

また、一方で30代と40代では、コロナ禍の心の問題に特化した相談窓口に今年3月までに延べ8262件の相談がありました。この件数は、この窓口の相談者全体の半数を超えており、働き盛りの世代に対して、コロナによって受けた影響の大きさが窺われます。

具体的な相談先

〈SNS相談〉で検索すると、厚生労働省が推薦する相談窓口の一覧が出てくることが多いかと思います。また、厚生労働省がお勧めするSNS相談実施している5団体があります。

その中の一つで、多様なSNSを使って相談が出来る一つの機関を紹介します。

特定非営利活動法人 東京メンタルヘルス・スクエア

全国の福祉事務所・自立相談支援機関・保健所・精神保健福祉センター・児童相談所・婦人相談所・総合労働相談等の公的機関やさまざまな分野のNPO団体へつなぐ支援を行っています。また、相談内容に応じて必要であれば対面相談や電話相談に切り替えることも可能です。

詳しくは、こちらをクリックしてください。

(https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/soudan/sns/

SNS相談とは何か少しイメージができたでしょうか?悩んだときにはぜひ気軽に活用してみてください!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

常葉大学(静岡県)准教授 博士(教育学)公認心理師臨床心理士

常葉大学(浜松)健康プロデュース学部心身マネジメント学科/常葉大学大学院健康科学研究科臨床心理学専攻 准教授。立命館大学/武庫川女子大学・大学院非常勤講師。働く人と家庭のメンタルヘルス・ストレス・トラウマが専門。働くみなさんにこころの健康の大切さを伝えるために、誰でもわかりやすい心理学をYouTube・Instagramで発信しています。

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