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石田秀芳二十四世本因坊は囲碁だけじゃない。なんでも〇〇するのです

内藤由起子囲碁観戦記者・囲碁ライター
解説のあと検討する石田秀芳二十四世本因坊(中央)。2015年NHK杯、筆者撮影

囲碁観戦に欠かせないものといえば、「解説」です。トッププロの碁は、アマチュアが見ているだけでは、理解できない部分が多いもの。碁の内容はもちろん、対局者の心理などを説明して、読者や視聴者の碁の理解を深めてもらうのが、解説者の役割です。

解説者の第一人者、石田秀芳二十四世本因坊の逸話をご紹介しましょう。

石田秀芳二十四世本因坊の本名は石田芳夫(九段)。「秀芳」は本因坊を獲得したときに名乗る号です。

対局日の木曜日には、午後になると日本棋院記者室にやってきて、その日打たれている碁を並べている姿をよくお見かけします。同世代の武宮正樹九段でも最近は碁を見るとき、盤上に並べるのではなく、パソコンのマウスをカチカチ操作して経過を見ることが多いのですが、石田先生はすごいスピードで並べます。

石田先生はよく挑戦手合の立会人を務められますので、3泊4日の間、ご一緒する機会が何度もありました。

挑戦手合には、新聞社の囲碁担当記者以外にもデスクや設営担当者らスタッフが何人も同行します。碁を全く打てない人も少なくありません。そんな人たちに、石田先生は必ず碁のルールを丁寧に解説し、褒めながら打てるようにするのです。石田先生から直々に教われるとは、なんてラッキーなかたがたなんでしょう、と思いながらいつも見学していました。

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囲碁観戦記者・囲碁ライター

囲碁観戦記者・囲碁ライター。神奈川県平塚市出身。1966年生。お茶の水女子大学大学院修士課程修了。お茶の水女子大学囲碁部OG。会社員を経て現職。朝日新聞紙上で「囲碁名人戦」観戦記を担当。「週刊碁」「囲碁研究」等に随時、観戦記、取材記事、エッセイ等執筆。囲碁将棋チャンネル「本因坊家特集」「竜星戦ダイジェスト」等にレギュラー出演。著書に『井山裕太の碁 AI時代の新しい定石』(池田書店)『囲碁ライバル物語』(マイナビ出版)、『井山裕太の碁 強くなる考え方』(池田書店)、『それも一局 弟子たちが語る「木谷道場」のおしえ』(水曜社)等。囲碁ライター協会役員、東日本大学OBOG囲碁会役員。

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