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“バズーカ岡田”こと岡田隆教授が語るトレーニングブームの中で果たすべき自らの使命

中西正男芸能記者
トレーニングの可能性と自らの使命を語る日本体育大学の岡田隆教授

 “バズーカ岡田”としてフジテレビ「ホンマでっか!?TV」などに出演しメディアでも注目を集めている現役ボディビルダーで日本体育大学教授の岡田隆さん(42)。ここ数年で街にジムが急増し、トレーニング系YouTube動画も多数アップされるようになりましたが、その中で果たすべき自らの使命とは。

「これは何なんだ」

 小学2年の頃に、アーノルド・シュワルツェネッガーの「コマンドー」という映画を見たんです。

 そこで驚いたのが空港を走るアーノルドの大胸筋でした。ものすごく揺れていて「いったい、これは何なんだ…」と(笑)。そこから凄まじい肉体へのあこがれを持つようになり筋トレを始めました。

 親にダンベルを買ってもらったり、学校にある器具を使ったり、どうやれば体が作られるのかも分からないまま、独学というか我流で鍛えていたんです。

 高校に入ると柔道を始めまして、そこでトレーニングと競技の連係を意識するようになりました。

 というのも、高校から柔道を始めたので、技術的な部分では小さな頃からやっている人には勝てない。そこを補うには筋トレだと。闇雲に鍛えるのではなく、競技で成果を上げるためにはどうしたらいいのか。その感覚を持ち出したのがここからだと思います。

 高校卒業後は日体大に入って柔道を続けるんですけど、その中で足の大きなケガをしたんです。そこをきっかけにトレーニングのみならずケガの方面からも体と向き合うようになっていって、その中で学んだことをさらに研究したり、教えたりする方に進んでいって今に至るという感じなんです。

 さらに、その中で本を出したりブログを綴ったりしていたら、そこから「ホンマでっか!?TV」だとかメディア的なお話も頂戴するようになりました。

10の努力で10の結果

 僕自身、体を鍛えて35年くらい経ちましたが、メディアや著書などそれを発信する立場にもなり、あらゆるところでお伝えしているんですけど、健康面から考えると筋トレはやりすぎなければメリットしかないんです。

 もちろん、しんどそうとか、億劫とかあるかもしれませんけど、科学的な意味合いから考えると「やる」の一択なくらい良いことばかりなんです(笑)。

 しんどい時、つらい時に筋トレのような適度に負荷のかかることをやると、体が休もうとする。結果、食事もおいしいし、ぐっすり寝られるし、それで心が整って良いサイクルが生まれます。1時間のトレーニングを週に2回する。これだけでも、かなり変わってきます。

 しんどいことが続くと、食べて、飲んで、発散!という人も多いと思います。それもストレス解消になるとは思うんですけど、肉体的には暴飲暴食でさらにダメージを与え、睡眠の質も下がり悪いサイクルに陥ってしまいます。結果、知らず知らずに元気も健康も損なっていきます。

 そして、経営者の方で筋トレをされている人が多いことにもつながるのかもしれませんけど、時間の使い方として非常に“おいしい”んですよね。

 ビジネスはどれだけ努力をしても結果が出るかどうかは分からないところもある。でも、筋トレは10頑張れば10の結果がきっちり出ますから。こんなに努力がきれいに報われる場はない。その意味でも、すごく楽しいものだと思います。

自らの使命

 そんなことも少しずつ理解されてきて、今は多くの方が筋トレに興味を持っている世の中になってきました。

 だからこそ、今、筋トレ系ユーチューバーもたくさん出てきました。ただ、これは医療行為でもないし、それぞれにそれぞれのやり方があるのも事実で、いろいろなものが玉石混交に発信されているんです。

 YouTubeとしてウケるのはエンタメ性の高いものだとは思うんですけど、実は、アカデミックな立場から発信している人がほとんどいないのが現状でもあるんです。だったら、それを自分がやる。そこが僕の役割だろうなと。

 7月に試験を予定している「プロパーソナルトレーナーBODY MAKE検定」という検定を作ったのもそうなんですけど、社会実装されないとダメだなと。

 せっかく、今皆さんの筋トレ熱が高まっているんだから、そこで教える人のレベルが上がらないと、結果的に筋トレを良いものだと思ってくれる人が減ってしまうかもしれない。

 僕は筋トレを通じて日本を元気にしたいと思っていて、その中で、ここ数年でライザップも大々的に広告を出して、なかやまきんに君などもフィーチャーされて、すごく良い流れができていると思っているんです。皆さんに広く知ってもらうためには、エンタメ性も必要ですから。

 ただ、地味だけど正しい知識を提示して導くことも必須です。だからこそ、今が本当に大切なんです。「ボディビルダーとか一部の人のものだと思っていたけど、筋トレっていいよな」と思ってもらう。今がその分水嶺だと思っています。

 エンタメ性も大切と言っておきながら、まじめなことばかりスミマセン(笑)。でも、本当に今が大事だし、少しでもそこの役に立てばと思い、日々積み重ねを続けているんです。

(撮影・中西正男)

■岡田隆(おかだ・たかし)

1980年、愛知県出身。日本体育大学体育学部教授。博士(体育科学)、理学療法士、ボディビルダー。日本体育大学体育学部卒業。同大学院体育科学研究科修了。東京大学大学院総合文化研究科単位取得後退学。トップアスリートから一般の人までそれぞれに適した身体づくりを提案・指導している。2021年東京オリンピックでは柔道全日本男子チーム体力強化部門長として史上最多の5個の金メダル獲得に貢献。また、骨格筋評論家「バズーカ岡田」としてフジテレビ「ホンマでっか!?TV」など多くのメディアに出演。YouTubeチャンネル「バズーカ岡田の筋トレラボ」は登録者約25万人。2022年7月3日に「プロパーソナルトレーナーBODY MAKE検定」第一回試験を開始する。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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