マツダスタジアムで連敗 しかし2人の若トラが昇格!《6/13 阪神ファーム》
1軍の交流戦はきょう14日で、ほとんどが終了しました。阪神タイガースは16日に甲子園での日本ハム戦が残っていますが、その前の関西ダービー・オリックス戦(京セラドーム)で3連敗って…しかも2日続けての2ケタ失点って…。まあこういう展開では「誰が投げても打たれる気がした」と、もとピッチャーの方がおっしゃっていたのを思い出します。負の連鎖というのでしょうか。
島本、歳内が昇格即登板
そんな中、きのう13日までファームのウエスタン・広島戦でマツダスタジアムにいた2投手が、小嶋投手、鶴投手、横山投手に代わって1軍に呼ばれました。きのうも登板して2イニングをパーフェクトに抑えた歳内投手は、今季初昇格です!また12日の夜に広島へ移動、きのうはマツダスタジアムで練習をして14日の試合(三原)で先発予定だった島本投手も5月10日以来の再昇格が決まり、ゆうべ一緒に帰阪したとのこと。
そして、きょうの京セラドームで2人とも登板しましたね!といっても島本投手は2イニングを投げて4安打3失点。中島選手のホームランまで出るとは。今朝の時点で「自信を持ってやるだけです。頑張ります」とコメントしてくれていたのに。悔しかっただろうなあ。だいだい、こういう急な出来事に島本投手は強いタイプなんですけどねえ。
そのあと8回に登場した歳内投手。試合前に「調子も上がってきて、いい状態の時に上げてもらった。いい結果を残していきたい。ランナーがいる、いないは関係なく1人1人を抑えていくことだけ考えて」話していたそうです。その言葉通り、糸井選手と縞田選手から連続三振を奪い、そのあと四球は与えたものの最後は駿太選手を二ゴロに打ち取って無失点!上々の今季初登板でした。
ともに逆転負けだったマツダでの2試合
さてファームはきょう14日、広島県三原市のやまみ三原市民球場でのウエスタン・広島戦。島本投手に代わり急きょ先発になった山本投手が、5回を投げ5安打2失点(自責2)で、試合は2対2の引き分けだったようです。そうそう、横田選手のソロホームランで7回に追いついたとか。ついに7号ですね!北條選手とソフトバンク・猪本選手に並びましたよ。
というわけで、きょうの試合も既に終わっていますが…ここからは、きのう13日に行われたウエスタン・広島-阪神14回戦の結果と選手コメントのご紹介です。土曜日とあって、開門を待つ行列が朝早くから延々と続いていたマツダスタジアム。平日だった12日を大きく上回る、6019人もの観客数でした。甲子園でのウエスタン公式戦で3000人を超えることも最近はないですからねえ。開放された内野席を埋める真っ赤なユニホームは圧巻です。
出てくる選手もすごい!スタメン発表で廣瀬選手の名前に歓声。ドラフト2位ルーキー・薮田投手の奪三振ショーに大きな拍手。7回は「代打・栗原」でこの日一番の盛り上がりを迎え、キャッチャーが倉選手に代わってまた歓声。8回に東出選手が代打で出た時も割れんばかりの拍手でした。
《ウエスタン公式戦》6月13日
広島-阪神 14回戦 (マツダ)
阪神 100 000 100 = 2
広島 201 004 00X = 7
◆バッテリー
【阪神】●岩崎(2勝2敗)-歳内-榎田-桑原 / 清水-岡崎(7回~)
【広島】○薮田(3勝1敗)(6回)-池ノ内(1回)-デヘスス(1回)-ザガースキー(1回) / 中村亘-倉(7回~)
◆本塁打 グスマン2号ソロ(岩崎)
◆三塁打 鈴木将
◆二塁打 北條、中谷、安部、グスマン
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率
1]右中:緒方 (4-2-0 / 1-0 / 0 / 0) .230
2]左:田上 (2-0-0 / 1-1 / 0 / 0) .250
3]遊三:北條 (4-1-1 / 2-0 / 0 / 0) .237
4]一:中谷 (3-1-0 / 1-1 / 0 / 0) .297
5]二遊:森越 (3-0-0 / 1-1 / 0 / 1) .295
6]中右:横田 (4-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .200
7]指:小宮山 (4-1-1 / 2-0 / 0 / 0) .283
8]三二:黒瀬 (2-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .195
〃打二:西田 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .185
〃打:原口 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .222
9]捕:清水 (2-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .227
〃捕:岡崎 (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .262
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ
岩崎 3回 72球 (4-2-3 / 3-3 / 3.41) 145
歳内 2回 18球 (0-3-0 / 0-0 / 8.84) 142
榎田 2回 48球 (3-4-2 / 4-0 / 0.63) 142
桑原 1回 11球 (0-1-0 / 0-0 / 2.51) 146
経過1 岩崎は4安打(うち長打3本)で3失点
1回から、早くもゲームは動きました。いきなり148キロを投じるなど直球勝負だった広島の薮田に対して、阪神は緒方が8球粘って右前打。田上の犠打で1死二塁となり、北條がワンバウンドで左中間フェンスに到達するタイムリー二塁打!しかし中谷と森越は、変化球攻めに転じた薮田に連続で空振り三振を奪われ1点止まりです。
するとその裏、岩崎は先頭の安部に左翼線二塁打を許し、犠打で三塁へ。下水流には四球を与えて2死後、5番のグスマンに左中間への二塁打。2人を還します。さらに廣瀬には四球を与え、堂林の左前打で2死満塁とピンチを広げたものの、ここは何とか2失点で終わりました。
2回は2奪三振で三者凡退に仕留めた岩崎。しかし3回に先頭・下水流の打球を足に受け、それ自体は問題なかったようで無事アウトにしたんですが、続くロサリオにライトへホームランを浴びてしまいました。グスマンに四球を与えたあと廣瀬と堂林は外野フライに打ち取って終了。でも岩崎は3イニングで交代です。
2人目の歳内は4回、下位からの攻撃ではありますが、8番・中村亘をフォークで、薮田は真っすぐで空振り三振。安部も真っすぐで見逃しの3球三振と3連続!さらに5回はカーブを駆使して三者凡退と、文句なしのピッチングでした。
経過2 ルーキー薮田に先発全員三振
一方、先制しながら即座に逆転された打線は、薮田の前に2回、3回と三者凡退。4回は中谷がフェンスに到達する左中間越えの二塁打を放ち、森越の二ゴロで2死三塁としますが、横田は148キロの真っすぐをフルスイングして三振。5回は三者凡退で、6回も3人揃って空振り三振!5回の黒瀬、清水、そして6回の緒方、田上、北條が5者連続で三振を奪われました。ちなみに6回、田上の時点でで先発全員三振!薮田に6回までで2ケタの10三振を喫しています。
そして6回裏、阪神は榎田が登板。10日のソフトバンク戦で筒井のあとパーフェクトリリーフを見せたのが、歳内についで榎田でした。ところが、先頭のグスマンを森越のエラーで出し、1死後に盗塁も決められます。堂林は四球、大歓声に迎えられた代打の栗原は空振り三振に仕留めて2死一、二塁となり、薮田の代打・鈴木将に右中間へのタイムリー三塁打…。2人が還って、なおも2死三塁で安部の打球はピッチャー強襲のタイムリー内野安打となります。上本にはストレートの四球を与えて2死一、二塁、続く下水流に右前タイムリー。ようやくロサリオの空振り三振で打者9人攻撃が終了。
なお7回は別人のように2奪三振などでビシッと三者凡退に斬って取った榎田。2イニングを投げ3安打4失点(自責0)です。9回は桑原が連投。下位打線ではありましたが、前日とは打って変わってしっかり三者凡退で片付けます。
経過3 打線は5安打2得点のみ
少し遡って、7対1とリードを広げられた直後の7回、打線は広島2人目の池ノ内を攻めます。先頭の中谷がピッチャー返し、これを池ノ内が捕り損ねるエラー、森越は死球で無死一、二塁。横田は遊ゴロ併殺打でしたが2死三塁となって小宮山の右前タイムリー!続く代打・西田は遊ゴロで、結局1点を返しただけでした。
8回はデヘススの150キロ超えの真っすぐに驚きつつ、まず岡崎は空振り三振、速球に強い緒方が153キロを打ち返して中前打。田上と中谷が四球を選び、2死満塁としたものの無得点。9回は前日同様、ザガースキーに三者凡退。最後に代打・原口が初球を打ち上げ、左飛で試合終了です。
ボール先行の投球を反省
先発の岩崎投手は、1回に二塁打2本を含む3安打、3回はロサリオ選手のソロを浴びて、計4安打ながら長打が3本ありました。そこに3四球も絡んで3点を失い、3回で降板。試合後は「前と同じです。カウントを悪くして、自分で苦しくしている」と言葉はそれだけでした。2回は2三振などで三者凡退だったので切り替えられたかなと思ったし、3回もホームランのあと四球を与えたものの後続を断ったのですが、本人は首を振るばかり。納得いくマウンドではなかったのでしょう。
久保投手コーチは岩崎投手について「苦しんでいますね。ちょっと厳しいかな…。こちらが危惧していることが、そのまま出てしまった。きちんと変化球を放れるとか、ボールの高さをコントロールできるとか、今までアバウトにきていたけど、これからはそれでは持たない。本人も叩かれて痛さをどれだけ知るかですね。それで闘争心や向かっていく強さを持ってほしい。練習でどれだけ改正できるか。試合で投げながらやっていきます」と話しています。
上り調子での昇格、歳内
続いて歳内投手。「きょうはコントロールを課題にしていて、それはよかったと思います。変化球でもストライクを取れたのでよかった」と振り返りました。球速は142キロが最速だったけど、もっと出ていたような感じも。「そうなんですよ。もうちょっと出るかな~と思って、でも見たらそんなに(笑)。自分の感覚では144、145キロくらいはあった気がします」。4回の3者連続三振は中村亘選手が127キロのフォーク、あと2つは真っすぐ。またカーブがいいアクセントになっていて、本人も「きょうはカーブを有効に使えた」と言っていました。
5月28日のソフトバンク戦(鳴尾浜)で先発して5回を投げた歳内投手。この時は1回に3四球と上林選手の犠飛でノーヒットながら1点を失い、4回に上林選手のソロ、つまり2安打で2失点という結果でした。でも内容はよかったようですね。そのあとはリリーフで6月7日の日本ハム戦(三条)で1回1安打無失点、10日のソフトバンク戦(雁の巣)は、三振こそなかったものの2回をパーフェクト。そして13日も3奪三振で2回パーフェクト!
「ここ4試合ぐらい、いいのが続いているので」と手応えを感じている様子です。それに「もう痛みなく投げられるようになった」と、キャンプ中に痛めた右肩もまったく問題なし。というやり取りをしていた、きのうの試合後には1軍昇格がまだ決まっていなかったので「焦らずに結果を残すことだけ考えて、調子を落とさないようにしたい」と話していました。その1時間後くらいには吉報が届いたのでしょうか。
なお前日は7回に自身のエラーも絡んで3点を失った桑原投手ですが、きのうは8回を三者凡退。「きのう打たれたので、きょうは1球1球を大事にいけたと思います。変化球も、きょうはキレていたかなと。継続していきたいですね」と話していました。
エラーに「申し訳ない」と森越
最後は短めのコメントを2人分ご紹介します。6回に痛恨のエラーを犯してしまった森越選手。ショートゴロを難なく捕って、送球しようとした時にボールが手からポロリと落ちました。送球の安定感が抜群の内野手だけに、まさかの、ですね。「はい。握り変える時に…。榎田さんに申し訳ないです。それに、あれで試合が決まってしまいました。申し訳ない」。7回の打席では「左の脇腹。というか肋骨?」に死球を受けた森越選手ですが「大丈夫です」とのこと。
北條選手は初回にタイムリー二塁打を放った薮田投手に対して、2打席目と3打席目は空振り三振でした。どちらも変化球で「真っすぐが速いっていうピッチャーかなと思ったら、意外と変化球も」というわけだったようです。
チーム5安打のうち2安打を放った緒方選手の話は、きょうの試合結果と合わせて次の記事でご紹介します。