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女王キム・ヨナは約16億円を稼いだ? 平昌オリンピック特需で沸いたスターとアイドルたち

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
開会式では聖火の最終点火者に(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

平昌五輪でその人気にふたたび火が付いた “フィギュア女王”キム・ヨナ。開会式では最終点火者として登場。白いドレスにスケート靴を履き、華麗な滑りを披露するなど、存在感も格別だった。

そもそも、平昌五輪とキム・ヨナは離れがたい存在である。2014年に引退後、平昌冬季五輪の広報大使として任命されたキム・ヨナは、五輪誘致のプレゼンテーションでスピーチを行うなど、誘致活動に力を注いだ。

昨年11月に米国ニューヨークで開かれた国連総会では、北朝鮮の平昌五輪参加を訴えるスピーチも行っている。最後の最後まで平昌五輪のために奔走したわけだ。

韓国では「平昌五輪=キム・ヨナ」というイメージが強いためか、キム・ヨナが起用されたCMもなぜか平昌広報活動の延長のように思えてくる。

彼女は現在、オリンピックのスポンサー企業である飲料水メーカーをはじめ、通信社、金融グループといった大企業から、ジュエリー、コスメブランドまで約10社の広告モデルを務めている。

五輪開幕前に公表されたスポーツブランドの広告などは、キム・ヨナの新しい一面が表現されたとして熱視線を集めたほどだった。

(参考記事:【最新グラビア】韓国の“フィギュア女王”キム・ヨナ、大人の色気漂う美ボディを披露)

ただ、いくつかの広告は平昌五輪ムードに便乗した広告戦略が明らかで、企業広告というよりも平昌五輪の広報と勘違いするほどでもあった。

今回、最終点火者を務めたことによって、キム・ヨナの広告収益が高騰するという話も聞こえる。

1本のCMで約11〜14億ウォン(約1億1000万円〜1億4000万円)の出演料は稼ぐと言われるキム・ヨナは昨年、150億ウォン(約15億円)の広告収益を上げたと言われている。今年は、10億ウォンアップされた160億ウォン(約16億円)以上になると見込まれている。

オリンピック・パーク内の広告(著者撮影)
オリンピック・パーク内の広告(著者撮影)

韓国企業評判研究所が毎月行っている「女性広告モデルブランド評判調査」の2月調査でも、キム・ヨナは2017年11月以来となる1位の座を取り戻しており、彼女に寄せられる期待と関心と好感度の大きさを感じさせた。

昨年は女優やアイドルたちが占めた韓国のCMクイーンの座だが、今年はキム・ヨナが女王に君臨しそうな勢いだ。

(参考記事:日本ではローラや広瀬すずが上位に。今年もっとも美しく輝いた韓国の「CMクイーン」は誰か?)

もっとも、“平昌五輪特需”に沸くスターはキム・ヨナだけではない。例えばK-POPグループ「VIXX(ヴィックス)」と「EXO」である。

VIXXは、2月5日に江陵で行われた第132回国際オリンピック委員会(IOC)総会開会式でK-POPを代表するグループとして登場。パフォーマンスを披露した。

また、五輪開幕前日にはIOCのトーマス・バッハ会長主催のディナーにも招待され、世間を驚かせている。ネットでは「国家PICK(国に選ばれたとの意味)のVIXXが誇らしい」というコメントが溢れ、過去のミュージックビデオなどが再び話題を呼んだりもした。

2月25日の閉会式に出演を予定している「EXO」にも、平昌五輪特需が期待されている。

EXOは1回の公演で数1000万ウォンの出演料が発生すると言われる人気グループだが、今回は国威宣揚のために交通費程度のギャラで閉会式のステージに立つという。収益より名誉を選んだ彼らのパフォーマンスは今後、さらなるイメージアップに貢献することだろう。

開幕前の聖火リレーにはAOA、スジ、WINNER、MONSTA X、DIAなど、数多くのK-POPアイドルが走者として参加した。

米国CNNは「K-POPが平昌冬季五輪の秘密兵器」と報道したそうだが、世界市場を視野にする多くのK-POPグループにとっても、今回の平昌五輪は恰好のショウケースになったはずだ。

(参考記事:【画像あり】意外にもK-POPアイドル祭り!? 平昌五輪広報のために一肌脱いだアイドルたち)

キム・ヨナをはじめ、多くのスターやアイドルたちが盛り上げ、恩恵を受ける平昌冬季五輪。いよいよ終わりが近づいてきたが、最後まで目が離せそうにない。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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