将棋界冬の陣、王将戦第2局開始! 渡辺明王将(37)藤井聡太挑戦者(19)ともに早繰り銀から筋違い角
1月22日。大阪府高槻市・山水館において第71期ALSOK杯王将戦七番勝負第2局▲渡辺明王将(37歳)-△藤井聡太挑戦者(19歳)戦、1日目の対局が始まりました。棋譜は公式ページをご覧ください。
本局の立会人を務めるのは谷川浩司九段(59歳)。今から30年前、29歳のときに王将位に就き、4連覇の実績を残しています。
朝、対局室にまず姿を現したのは藤井挑戦者。第1局では見事な勝利をあげました。
続いて渡辺王将が入室。駒を並べ終わったあと「開始6分前です」と谷川九段が声をかけました。
対局室にしばし静寂な時間が流れたあと、午前9時。
谷川「定刻になりました。第71期ALSOK杯王将戦第2局、渡辺王将の先手でお願いします」
谷川九段が声をかけて、両対局者は「お願いします」と一礼。持ち時間各8時間、2日制の対局が始まりました。
渡辺王将は居住まいを正します。そして、しばしの時間が流れました。大戦略家の渡辺王将は当然、十二分に作戦を練ってきたことでしょう。それでも初手が指されるまでには1分の消費時間がありました。報道陣のカメラのシャッター音が響く中、渡辺王将は初手、飛車先の歩を突きました。
藤井挑戦者はペットボトルのお茶をグラスに注ぎ、それを口にします。丁寧に手ぬぐいで手を拭いたあと、2手目、飛車の前の歩を一つ進めました。
戦型は角換わり。両対局者ともに手早く攻めの銀を中段に進める、早繰り銀の作戦。
後手の藤井挑戦者が銀を五段目に進めると、渡辺王将は継ぎ歩で反撃しました。
47手目、渡辺王将は24分考えて自陣に筋違い角を据えます。対して藤井挑戦者もまた3分で筋違い角を打ちました。
1日目の対局は12時30分から13時30分まで昼食休憩。18時の時点で手番の側が「封じ手」をおこない、指し掛けとなります。
本局の記録係を務めるのは折田翔吾四段(32歳)。折田四段は難関の編入試験を突破して2020年に棋士となりました。
奨励会員ではなく、若手棋士が記録係を務める例はしばしばありますが、三十歳を超える棋士は珍しいかもしれません。
2006年、渡辺明竜王(22歳)に佐藤康光棋聖(37歳)が挑戦する竜王戦七番勝負第1局。記録係を務めたのは、戦後初めて編入試験に合格して棋士となった瀬川晶司四段(37歳)でした。(肩書、年齢は当時)