「台風22号」数年来の最強勢力でフィリピン・中国に上陸
今年世界最強「台風22号」が週末フィリピンと中国に上陸し猛威を振るいました。フィリピンには2013年スーパー台風ハイエン(30号)以来の強さで直撃し多数が死亡したほか、中国ではビルの窓が割れたりクレーンが倒れるなどの被害が出ています。
フィリピン上陸・被害
日本時間15日(土)未明、22号(国際名:マンクット)はフィリピン北部・ルソン島に「猛烈な」勢力で上陸しました。
上陸時の中心気圧は905hPa、最大風速は55メートルで、過去10年間にフィリピンに上陸した台風の中では、2010年13号(メギ)、2013年30号(ハイエン)に続き、3番目に低い気圧での上陸となりました。
フィリピン北部・バギオでは762ミリの雨が観測されるなど、大雨の影響で洪水や土砂崩れが次々と発生しました。現在までのところ64名が亡くなったと伝えられていますが、死者の数は増える見込みです。
またこの時期は米やコーンの収穫期にあたるために、農作物の被害も甚大なものとなるおそれがあります。
中国南部上陸・被害
その後22号は16日(日)夕方に「強い」勢力(最大風速40メートル)で中国南部・広東省に再上陸しました。
当局は香港の警戒レベルを最高クラスの「シグナル10」まで引き上げました。香港で「シグナル10」が発表されるのは過去60年間で15回しかないようです。
直撃を受けた香港では、最大瞬間風速が62メートル、潮位は3.9メートルに達し、大きな竜巻も報告されました。沿岸部に立つビルなどの窓ガラスが割れたり、クレーンが倒れたりするなど、すさまじい映像が多数投稿されています。またマカオのカジノは、史上初めて嵐により休業となったようです。
(↑窓ガラスが割れたシェラトンホテル)
今後の動き
日本時間17日(月)9時時点、22号は台風の勢力のままで中国南部を西進していますが、24時間以内に熱帯低気圧となる見込みです。
今日は台風特異日
ところで今日9月17日は、日本にとって「台風の特異日」です。
死者・行方不明者3,700人超の被害を出した1945年枕崎台風、国内史上最も低い中心気圧925hPaで上陸した1961年第二室戸台風ともに、この日に上陸しています。さらに一年前の今日のまた、18号が鹿児島県に上陸した後に列島を縦断し、各地に観測史上1位となる大雨を降らせました。
現在、22号以外には台風が発生していない状態ですが、統計的には9月の台風は大規模な被害を発生させやすく、まだまだ台風への警戒が必要です。