”森会長発言” 韓国でも批判 ネット民「それは女性のせいじゃないだろ」
3日午後の「森喜朗東京五輪大会組織委員会会長による女性関連発言」は韓国メディアでも報じられている。
日本オリンピック委員会(JOC)の臨時評議員会でのものだ。
日本での第一報が報じられた後の3日夜の時点では、スポーツメディア「OSEN」など数媒体がこれを報じた程度だったが、翌4日午前に国内最大の通信社「聯合ニュース」日本特派員がこの件の日本での反応の大きさを見たか、記事を執筆・配信した。
これと前後して、4日午前10時5分時点では11媒体の記事が「NAVER(同国最大のポータルサイト)」に掲載されている。
これら記事では、日本のメディアを引用しつつ、こういった見出しが打たれた。
「日本の森東京オリンピック委員会会長”女性蔑視”発言に批難」
(聯合ニュース)
「森組織委員会会長『女性理事が増えれば会議が長引く』…性差別発言が波紋」
(京郷新聞)
「東京オリンピック組織委員会会長”性差別発言”…開催に暗雲」
(韓国日報)
「’女性は口数が多くて頭が痛い’ 東京オリンピック組織委員会会長 性差別発言に批難」
(女性新聞)
「コロナ関係なしという東京オリンピック、性差別。会議にも笑いだけ」
(ソウル新聞)
「日本 森組織委員会会長”女性が多い会議、時間が長引く”発言に批難」
(YTN)
こういった話題が出ると、「海外の目は?」という記事が多く出る。しかし、こと韓国に関しては、近年は率直なところ「日本のネットニュースを引用」というケースが多く、ややもすれば「日本で報じられている点を、韓国の視点として二番煎じで見る」という傾向もある。それでも上記で紹介した見出しのように「どこを切り取るか」でその国で重要視される点が感じられるものだが。
そういったなかでも、「スポーツ京郷」は、独自にこの点を報じた。
日本のSNSを見る限り、今回の「森氏発言」で多くシェアされているのは下記の朝日新聞の記事だ。
3日の評議員会での関連発言部分がしっかりと収録されているが、「JOCの女性進出方針」のくだりは下記の通り、あくまで国内での決定との説明にとどまっている。文字数の”尺”が考慮されたか。
いっぽう「スポーツ京郷」の記事は、もともとがIOCの方針であり、JOCもそれに沿っているという点を改めて紹介している。
つまり森氏の発言はIOCの精神にも反しているという根拠が、韓国では紹介されているのだ。
また、この件をいち早く4日の午前3時36分に報じた「ニュース1」には、男性の読者からこういったコメントが入っている。
「www 女性がいると会議が長引く~ コメディなの? 会議が長引くのはあなたたちの無力でしょ~ つねに『検討いたします』『報告します』『追ってご連絡します』何の決定ができるの?」
日本に関してよく使われるジョークだ。「検討します」と言い、話し合いばかりを続けて時間がかかる。決して女性のせいではない、という点が強烈に皮肉られていた。
(了)
参考:日本オリンピック委員会(JOC)の臨時評議員会での森委員会会長発言全文(出典:日刊スポーツ)