チリで史上最悪の山火事発生 東京都2個分の面積が焼失
チリ史上最悪の山火事
南半球では真夏に当たるこの時期は、山火事の最盛期でもあります。特にチリでは年間5,200件もの山火事が起こり、その焼失面積は520平方キロにも上ります。
今夏の山火事シーズンはことさら被害が大きく、この2週間だけで110件も山火事が発生し、すでに東京都2個分の面積に相当する4,800平方キロが焼失しています。
これまでのところ11人が死亡、チリ大統領は「国家史上最悪の山火事」だとして国家非常事態宣言を発令し、世界各国に支援を呼び掛けています。
ボーイング、イリューシンも駆け付け支援
実際、アルゼンチン、ブラジル、メキシコといった隣国が支援に駆け付け、消火活動が行われています。
さらに25日(水)にはアメリカから、ボーイング747を改造したスーパータンカーと呼ばれる消防飛行機が、30日(月)にはロシアから、40トンの空中散布能力を持つ空軍機イリューシンも到着しました。ただ、こういった世界最高峰の消火活動が行われているにも関わらず、現在もまだ多くの山火事が続いています。
記録的山火事の原因
なぜこれほどまでに山火事が広がったのでしょうか。
チリ当局は放火の疑いがあるとして40名以上を拘束していますが、それに加えて乾燥・高温といった気象条件が被害を拡大させている原因です。
山火事が起きているチリ中部では約10年間にわたり、雨不足が続いており、深刻な干ばつに見舞われています。加えて今夏は、記録的な猛暑が続いています。12月には首都サンチアゴで、観測史上最高気温となる37.3度を記録、また1月に入ってからも連日のように真夏日が続き、26日には再び37℃まで上がりました。
チリ中部と言えば、マウレ・バレーなどワインの生産で有名ですが、樹齢150年のブドウの木が焼失したり、多くのワイナリーに影響が出たりしているなど、甚大な被害が報告されています。
チリでは、今後も温暖化に伴って、これまで以上に気温が上昇し、雨が少なくなるといわれており、こうした気候の変化から将来さらに山火事が増える恐れが危惧されているのです。