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鳴尾浜での今季最終公式戦 4本塁打で小鷹の胴上げを阻止!《9/19 阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
2打席連続ホームランのペレス選手。スタンドの拍手と声援に応えて手を振ります。

きのう19日は、鳴尾浜球場で行われる今季最後の公式戦でした。そして、もしかしたらウエスタン・リーグ初の4連覇へ、マジックナンバーを1としたソフトバンクの胴上げがあるかもしれないという試合。復帰2戦目の西岡選手を見ようという方もあり、シルバーウィーク初日のスタンドはぎっしりと埋まっていました。

鳴尾浜で今季最後の公式戦だったので、終了後に全員整列してスタンドにご挨拶。
鳴尾浜で今季最後の公式戦だったので、終了後に全員整列してスタンドにご挨拶。

私は終盤だけしか見ていないのですけど、既に由宇球場で広島が勝ち、この日の優勝決定は鳴尾浜の結果次第。阪神が3本のホームランでリードしていたものの、1点差まで追い上げられた終盤にペレス選手が2打席連続のホームラン!このリードを守って、ソフトバンク戦の連敗を6で止めています。

しかし、きょう20日に守山で行われた試合は完敗してしまったため、ソフトバンクがウエスタン・リーグ初となる4連覇達成!しっかり胴上げを拝見しました。この試合については次回、詳しくご紹介します。では遅くなってしまいましたが、19日の試合結果です。

《ウエスタン公式戦》9月19日

阪神-ソフトバンク 22回戦 (鳴尾浜)

ソフ 000 010 020 = 3

阪神 010 003 01X = 5 

◆バッテリー

【阪神】○岩貞(5勝4敗1S)-鶴-筒井-S石崎(3勝4敗9S) / 清水

【ソフ】●坂田(5回0/3)-岡本(1回)-金無英(1回)-嘉弥真(1回) / 鶴岡-斐紹(8回裏)

◆本塁打 森越3号ソロ(坂田)、江越8号2ラン(坂田)、ペレス12号ソロ(坂田)、ペレス13号ソロ(嘉弥真)、猪本14号2ラン(鶴)

◆三塁打 真砂

◆二塁打 柴田

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]指:西岡  (2-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .667

〃打指:原口 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .224

〃打指:西田 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .224

2]左:柴田  (4-3-0 / 0-0 / 0 / 0) .363

3]中:江越  (4-1-2 / 1-0 / 0 / 0) .320

4]一:ペレス (4-2-2 / 2-0 / 0 / 0) .319

〃一:荒木  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .188

5]遊:北條  (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .248

6]三:陽川  (4-0-0 / 3-0 / 0 / 0) .207

7]二:森越  (3-1-1 / 1-0 / 0 / 0) .279

8]右:一二三 (2-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .198

〃打右:緒方 (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .232

9]捕:清水  (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .238

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

岩貞  7回136球(5-7-2 / 1-1 / 2.82) 146

鶴  0.2回 23球 (1-1-1 / 2-2 / 3.89) 146

筒井 0.1回 9球 (0-0-0 / 0-0 / 2.41) 141

石崎  1回 15球 (0-1-0 / 0-0 / 3.81) 150

試合経過

先取点は阪神。2回2死から森越がレフトへ第3号ソロ。3回は西岡の右前打と柴田の右翼線二塁打で1死二、三塁と攻めるも得点なし。一方、先発の岩貞は1回、2回と四球での走者を出しますが無失点。3回は1死から連打で一、三里としながらも後続を断ち、4回は9球で三者凡退でした。しかし5回、先頭の真砂に右中間三塁打を浴び、1死後に金子圭の一ゴロ(野選)で1点を失います。

1対1となった直後の6回は岩貞が3人で片づけ、その裏に先頭の柴田がセカンド内野安打、続く江越がレフトへの第8号2ラン!これで勝ち越して、続くペレスがセンターへ第12号ソロ!2者連続ホームランで4対1と差を広げます。7回は1安打されただけで無失点だった岩貞。球数は136球を要したものの、7イニングを投げ5安打7三振2四球1失点としっかりゲームを作りました。

試合終了の瞬間、石崎投手と清水選手が手を合わせるところです。
試合終了の瞬間、石崎投手と清水選手が手を合わせるところです。

ところが8回に登板した鶴は2死を取ったあと塚田に四球を与え、続く猪本に第14号2ラン…。これで1点差です。でもその裏にペレスが、今度はセンターバックスクリーンにゴンッ!と大きな音を立ててぶつかるホームラン!2打席連続の第14号ソロはスコアボードの、ホークスと書かれたチーム名の『TN』というところに当たったようです。これで5対3として、9回は石崎が三者凡退締め。何とか目前の胴上げを引き伸ばして終了です。

岩貞が5勝、石崎は9セーブ

先発で7回1失点の岩貞投手。
先発で7回1失点の岩貞投手。

先発の岩貞投手は「立ち上がりはピシャリといくのがベストですけど、そんなにうまくいかないんで…ランナーを背負いながら尻上がりによくなってきた。清水さんの配球もはまってうまくいきました。いい投球ができたんじゃないかなと思います」とのこと。7回で136球という球数には「3回までフォームのバランスが合わなくて、きついなと思ったんですが、それ以降はうまくいった」と、問題なしという表情です。完投もできた?「むしろ5回くらいからボールが走り始めて、まだ投げられる感じはあった。自分の感覚ではまだいけましたね」

この日のピッチングを振り返って「ランナーを背負ってテンポが同じになってしまったら、自分がボールを持っている段階で防げるような失点をしてしまうけど、(ボールが自分の手を離れる)その手前のところを意識してやれたので、よかったと思ういます。7回1失点という結果もよかった。残り試合は少ないですが、いつ呼ばれてもいいよう次もいいピッチングをしたい」と話しています。

9回を三者凡退で締めた石崎投手。
9回を三者凡退で締めた石崎投手。

久々に抑えで登板した石崎投手。最後は金子圭選手に粘られましたが「別に動揺も何もしていないですよ」と、いつも通り飄々とした雰囲気。9日球目で空振り三振と見事な締め!128キロのカットボールだそうです。そして「けっこう腕を振ってるけど上体ばかりいってしまった。前回よりはよかったですが」と振り返っています。前日の登板で全然ダメだと言っていた変化球は「きのうよりマシでした」とのこと。まだ納得いの域には達していないようですね。

3人で4発!森越、江越、ペレス

次にホームランを放った3選手のコメントです。まず先制ソロの森越選手は「カウント2-0で(ストライクを)取りにくるなと思って、きたボールを強く振りにいきました。外よりの真っすぐです。そこからホームランがいっぱい出たので、みんな『あの2回の1点って何だっけ?』みたいなことになってると思いますけど」と笑っていました。さすが森越選手、という読みです。

先制ソロの森越選手(左)と、勝ち越し2ランの江越選手。
先制ソロの森越選手(左)と、勝ち越し2ランの江越選手。

ホームランについて「前はいつかなあ。久しぶりですよ。雁の巣で東浜から打った以来かなあ」と言いますが、2週間ならそんなに久しぶりでもないですね。「調子のよかった6月のイメージに近づけたら、あの頃に戻れたらと思っていたけど戻るのは無理なんで、近づけたらいいと考え直しました。技術的にもですが、気持ち的にも。この1本をきっかけにしたい」

勝ち越し2ランの江越選手は「たまたまです。打ったのはチェンジアップ。前の2打席は、そのチェンジアップにやられたので狙って打ったら当たりました」と、とっても控えめなコメントです。そして「最近ちょっといい当たりがなくて、当ててポテンというヒットしかなかったんです。しっかりスイングした中でのヒットが久々だったので嬉しかった。残り試合は少ないけど、これから調子を上げていけたらいいなと思います。またあした頑張ります!」と締めくくりました。

2打席連続ホームランのペレス選手。これでもう13号です。
2打席連続ホームランのペレス選手。これでもう13号です。
とても丁寧に頭を下げるペレス選手。みんな笑っています。
とても丁寧に頭を下げるペレス選手。みんな笑っています。

その江越選手に続いて12号ソロ、8回は2打席連続の13号ソロを放ったペレス選手。前日は3三振で4打数ノーヒットで、何かを変えたのかと聞かれ「きのうと同じアプローチで、しっかり強く振れるボールだけ狙って待っていた」と答えています。

試合後、いつもはスタンドから見て一番右に古屋監督が立ち、その右側に活躍した選手が呼ばれて「ありがとうございました!」と発声をします。きのうは鳴尾浜での公式戦最終ということで、監督は真ん中に立ち両側にコーチ、選手が並び場内アナウンスで全員が一礼。そのあと監督から促されたペレス選手が帽子を取って「アリガトウゴザイマシタ~」と頭を下げました。深々とお辞儀をする姿にスタンドも、チームメイトも笑顔。1軍のお立ち台でも見てみたいですねえ。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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