【抜毛症】ストレスから無意識に髪の毛を抜く!親の叱責は逆効果【保育士ママが漫画でわかりやすく解説】
こんにちは。発達支援サポーターの『夢 カナエ』です。
わたしは保育士・幼稚園教諭と介護福祉士の資格を持つ、神経発達症(発達障害)の子の親です。
皆さん、抜毛症をご存じですか?
『抜毛症』とは、繰り返し毛髪を抜いてしまう病気で、思春期の子どもたちに多いと言われています。
日常感じるストレスや緊張・不安を、和らげる手段として、毛を抜いてしまうともいわれています。
今日ご紹介するのは、中学1年生のダイキさんのケースです。
(プライバシー配慮のため、実話をベースに創作を加えています)
ダイキさんは小学生の時に、ADHD(注意欠如多動症)の診断を受けています。
先生方の手厚いサポートのおかげで、中学入学後は、トラブルなく学校生活を送っています。
しかし夏休みに入ってから、ちょっとした変化がありました。
前髪の生え際に、プツプツと湿疹が出たのです。
すぐに皮膚科を受診し、治療を始めました。
しかし、次の日、また次の日と湿疹は広がっていきます。
生え際が気になるダイキさんは、ついつい周辺の髪も触ってしまいます。
そして次第に、周囲の毛を抜くようになっていました。
母親は、その都度きつく叱っていました。
「触っちゃだめ!やめなさい!」
そんなある日の朝、事件が起こりました。
「おはよう!」
と、起きてきたダイキさんの異変に気づいたのは、家族でした。
驚く家族の表情を見たダイキさんが、おそるおそる鏡を見ると・・・
急いでダイキさんのかかりつけ医、発達外来の先生に相談へ行きました。
「何を言われるんだろう?」
「怒られるかもしれない」
不安な気持ちで、待合室で待っていました。
診察室へ入ると・・・
抜毛の理由を追求されたり、抜毛行為を否定されることはありませんでした。
「大丈夫。いつか髪は生えるからね」
「帽子をかぶって触らないようにしようね」
とダイキさんに優しく言ってくれました。
母親には、
「怒らないほうがいいね」
「長い目で見守っていこうか」
とアドバイスしてくれました。
「あれ?そんなにあっさりとした感じ??」
母親は正直驚きました。
その先生のあっさりした態度が、ダイキさんの心を救いました。
「これは大したことじゃない」
「いつか治るから大丈夫だ」
そう感じたダイキさんの表情は、一気に明るくなりました。
それまで母親は
「抜いちゃダメだよ!」
「もっとはげちゃうよ!」
などと感情的になって、止めさせようとしていました。
しかし、抜毛行為は叱らずに、優しく注意するのが大切なポイントです。
頭ごなしに叱ると、余計に心理的な負担がかかり、かえって症状が悪くなるのです。
決して感情的にならず、落ち着いて接しましょう。
そして、抜け毛の完治にはどうしても長い時間が必要になります。焦らずに、
「隣にいるよ」
「一緒に治そうね」
と寄り添う気持ちが大切です。
ダイキさんのその後の変化と、学校の対応については、回を改めてお話ししたいと思います。