「人物紹介」の順番と言葉【ビジネスマナー】
仕事をしていると、自分が相手に誰かを紹介する場面があります。
たとえば、自分のお客様のところへ、上司を伴って訪問し、一緒に商談をするような場合です。このようなケースでは、自分がそれぞれの紹介をすることになります。
そこで、仕事の場面で人を紹介する際の「順番」や「添える言葉」などをお伝えします。初対面同士の場合、「紹介」は名刺交換に先立つ重要なものです。失礼のない紹介の仕方を覚えておきましょう。
「この人は誰?」を防止!紹介は会ったらすぐに
まずは、紹介のタイミングです。
タイミングは、初対面の人同士を「引き合わせたらすぐに」と覚えていれば大丈夫でしょう。あらかじめ「今回は紹介する」と分かっていれば、問題なく最初に紹介することができるでしょうが、問題となるのは「突然紹介することになった」ケースです。
たとえば、「自分が上司と電車の駅を歩いていたら、偶然お客様と出会う」などということもあります。こんな場合、上司を紹介しないままにお客様との会話が弾んでしまうと、口には出さなくても、上司もお客様も「この人は誰だろう?」と思っています。
まずはそれぞれを紹介し、名刺交換をしてから雑談に入りましょう。そうしないと、気まずい雰囲気が漂ったまま雑談を続けることになります。
自社の人・目下の人を先に紹介する
では、紹介はどのような順番で行えばいいのでしょう?
基本は2つです。
①「自社の人」を先に紹介する
②「目下の人」を先に紹介する
この基本に則って、まず自社の人を紹介し、続いて他社の人を紹介します。また、目下の人を紹介し、その後目上の人を紹介します。
順番により、社会的地位や人間関係を知らせることにもなるので、注意して順番通りに紹介しましょう。
役職や関係を付けて紹介する
次に、紹介時に添える言葉です。
自社の人を紹介する場合は、役職などは紹介しますが、敬称を付けず、呼び捨てにします。他社の人の紹介には敬称を付けます。
たとえば、このような紹介の仕方があります。
「(他社の)◯◯部長、ご紹介いたします。私ども課長の△△でございます」
「こちらは、××商事の◯◯部長でいらっしゃいます」
さらに一言を付け加えることで、印象アップを図ることもできます。
「(他社の)◯◯部長、ご紹介いたします。私が日頃営業の指導を受けている営業課長の△△でございます」
「こちらは、いつも大変お世話になっております、××商事の◯◯部長でいらっしゃいます」
あまりにも褒めすぎるとおべっかを使っているように見えてしまうので、追加の言葉は簡潔な一言にとどめましょう。あらかじめ引き合わせることがわかっている場合には、印象の良い紹介の言葉を用意して訪問するようにします。
複数を紹介するときは「役職が上」の人から
自分が紹介する人が、複数の場合はどうしたらいいのでしょう?
そんな場合は、役職が上の人から紹介するようにします。
「(他社の)◯◯部長、ご紹介いたします。私どもの課長の△△でございます」
↓
名刺交換
↓
「新入社員の◎◎でございます」
↓
名刺交換
紹介する人が多い場合は、よりスムーズな紹介をしたいものです。紹介の後は、自分は一歩下がって名刺交換を終えるのを待ってから、次の人を紹介します。
□まとめ
初めて出会う人同士を紹介することは、「新しい仕事のスタート」でもあるのです。そんな大切な瞬間が良くないものになってしまうと、その後の仕事にも悪い影響を与えてしまいます。
誰かを紹介する場面がある際は、訪問の前に紹介の順番と添える言葉を準備し、予行演習を行っておくことをおすすめします。
研修トレーナー太田 章代
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太田章代の『ビジネスコミュニケーション術』