【函館市】今年で"建柱100年"。4つの元号を経て今も街を見守り続ける『日本最古のコンクリート電柱』
函館の観光スポット「金森赤レンガ倉庫」。
この近くに今もなお現役である『日本最古のコンクリート電柱』が建っています。
電車通りから見ると「パン工房元町ぼんぱん」さんを目印に、二十間坂から続く"開港通り"を入っていきます。
そうすると最初の交差点の1階に「はこだて恋いちご洋菓子店」さんが入っている建物が見えてきます。
この建物の前にあるのが『日本最古のコンクリート電柱』です。
金森赤レンガ倉庫方面からだと、「ラッキーピエロベイエリア本店」と「ハセガワストアベイエリア店」が並んでいる道を海を背にして進むと見えてきます。
高さ約10メートルの『日本最古のコンクリート電柱』は大正12年(1923)10月に、当時の函館水電会社(現北海道電力)が建てたものです。
当時の電柱は円柱の木造電柱が主流だったそうで、角柱(角錐形)のコンクリート電柱はとても珍しい造りとなっています。
これには理由があり、函館が大火の多い街であったことや電柱を造る際に資金を提供した北海道拓殖銀行函館支店の建物がコンクリート造りだったことから景観を合わせるために同じコンクリート造りとなりました。
この後、北海道拓殖銀行函館支店を挟むようにもう1つ同じ形の電柱が造られました。
この2つの電柱はセットで「夫婦(めおと)電柱」と呼ばれていましたが、ほどなくして撤去されてしまったそうです。
現在、『日本最古のコンクリート電柱』の近くにある同様の電柱は平成期に新たに作られたものとのこと。
こう見ると2つの電柱に過ごしてきた年月の違いが表れています。(平成期の電柱は見慣れた色合いですね)
何度も通っていても『日本最古のコンクリート電柱』と知っているのといないのでは見え方が違ってきます。
実際に撮影をしに行った時も街に馴染んでいて、知らなければ通り過ぎてしまうことの方が多いのではないかと思います。
筆者も説明を読み歴史の長さや様々な背景があったことを知りました。
100年という長い間、街を見守り続けている『日本最古のコンクリート電柱』に函館の歴史を感じに足を運んでみてはいかがでしょうか。
◎『日本最古のコンクリート電柱』◎
場 所:北海道函館市末広町15−1(Googleマップ)