開幕戦の「1試合3本塁打」は4人目。3人はDHとしてロイヤルズ戦で打ち、残る1人は日本で464本塁打
3月29日の開幕戦で、マット・デビッドソン(シカゴ・ホワイトソックス)が3本のホームランを叩き込んだ。開幕戦の「1試合3本塁打」は、ジョージ・ベル(1988年)、タフィ・ローズ(1994年)、ドミトリー・ヤング(2005年)に続き、史上4人目の快挙だ。
偶然ながら、ローズ以外の3人には共通点がある。DHとして出場し、カンザスシティ・ロイヤルズの投手から3本塁打を打った。一方、ローズはセンターを守り、ニューヨーク・メッツのドワイト・グッデンから3本塁打を放った。また、3人はそれまでにシーズン25本塁打以上を記録したことがあったが、ローズの本塁打は、その後を含めたメジャーリーグ通算でも13本にしかならない。
ただ、ローズもパワーはあった。前年の1993年はAAAで30本塁打(メジャーリーグで3本)を放ち、後に日本プロ野球で歴代13位(外国人最多)の通算464本塁打を記録した。4人のうち、3打席連続ホームランはローズだけだ。デビッドソンは3打数連続だが、2本目と3本目の間に四球を挟んだ。
当時のカブスには、前年にブレイクしたサミー・ソーサがいて、ローズと同じ25歳だった。2人は強打の外野手デュオを形成してもおかしくなかった。ローズは開幕20試合目にも2本塁打を叩き込み、4月を打率.313、6本塁打で終えた。5月にリグリー・フィールドで売っていたパンフレットは、ローズを表紙にしていた。
しかし、ローズの打撃はそこから急降下し、途中でレギュラーの座も失った。再び、メジャーリーグでスポットライトを浴びることはなかった。
ちなみに、1994年の開幕戦では、ローズとソーサとともに、デリック・メイが外野を守った。この3人は、その7年後の2001年に、合わせて150本のホームランを放った。ソーサはカブスで64本、ローズは大阪近鉄バファローズで55本、メイは千葉ロッテ・マリーンズで31本を記録した。