1000人以上の女性が音楽業界での性暴力・セクハラを連名抗議 ノルウェーの #MeToo
23日、ノルウェー最大手紙アフテンポステンでは、音楽業界での性暴力に、「もう、たくさんだ」と改善を求める706人の女性からの連名抗議文が掲載された。
「やっと、声をあげる人たちがでてきました。『世界で最も平等が進んだ国』とされるノルウェー。それでも、音楽業界が他業界よりも、ましということはありません。この恥の意識を、加害者と加害者を守ろうとする人たちのもとへと返します。私たちは、あなたたちが誰かを知っています」。
クラシック音楽界の女性歌手295人も、業界で広がるセクハラ被害に対して連名抗議文を公開。
「これは魔女狩りではありません。ただ、もうたくさんだ、ということです」。
両業界から合計で30の詳しい被害エピソードが匿名で公開されている。
- 私より10年間キャリアが長い男性たちが、ツアー中に聞いてきました。『君と君のルームメイト、僕たちと一緒に寝る気ないかな!? オーケストラでまだ僕たちがセックスしていないの、君たちだけなんだよね』
- まだ私が音楽を学ぶ学生だった頃。オーディションのマネージャーに家に呼ばれました。下半身に指を突っ込まれ、キスされ、襲われそうになりました。あれから15年経ちますが、今になって、あれは私のせいではなかったかもと思うようになりました。
- 10歳年上の男性にミーティングだと呼ばれ、『やめて』と言ったのに、襲われました。彼が寝ている時に逃げて、それから今までずっと恥の気持ちを抱えてきました。
- とある有名なバンドのクルーの男性が、7万円払うからセックスしてと言ってきました。そのことを彼のバンド仲間に話すと、『またか、あいつはそういうやつなんだよ』という反応で終わりました。
- 私は17歳でした。初めてのソロコンサートのプロモ写真のために写真家を訪ねました。少しずつ服を脱ぐように誘導され、これは私の音楽を表現するものではないと感じ始めました。パソコンで写真を見ながら、彼は「君は綺麗だね」と言って、彼のズボンを指さしました。そこには勃起したペニスがありました。彼は私の下半身を触り始めましたが、母親から電話がきたと私は逃げました。帰り道、私はずっと泣いていました。なんで、自分はもっとわかっていなかったんだろうと、その感情に今でも襲われます。
- プロドゥーサーに性行為を強要されました。嫌だと抵抗すると、「お前はこの業界から消えるぞ」と脅されました。帰り道、車の中で私は泣いていました。
同じ日、ノルウェー国営放送局NRKは、オスロにある有名な音楽単科大学で勤務していたスウェーデン出身の教師が、女子大生らにキスや性器を見せるなどの行為をしていたと報道した。
ノルウェー音楽家団体は、緊急対策をする必要があるとして、セクハラや性被害を体験した会員は団体弁護士に連絡をするように呼び掛けている。
隣国スウェーデンでは、スポーツ界でのセクハラ被害やマッチョ・カルチャーを2290人の女性が連名で抗議した(Dagens Nyheter)。
Text: Asaki Abumi