太平洋上に2つの低圧部(ダブル低圧部)が発生中
熱帯擾乱の発生はほぼ2週間ぶり
今年は先月発生した台風2号が猛烈な勢力となったことがニュースとなりました。
そして今月に入り、フィリピンの東海上に発生した熱帯低気圧が台風に発達する見込みとの情報が一時気象庁から出されましたが、その後はあまり発達することなく、フィリピン付近で衰弱し、上図にある通り、14日午前9時を最後に天気図上から姿を消しました。
それからほぼ2週間が経った現在、日本のはるか南方海上、太平洋上が再び騒がしくなってきています。
2つの低圧部が発生中、1つは熱帯低気圧へ変わる予想
タイトル画像にあるとおり、日本のはるか南方海上、赤道近くの太平洋上で真っ白な積乱雲が広くわきたっていますが、気象庁のきょう29日(土)午前9時の実況天気図では、このあたりに2つの低圧部が解析されています。
低圧部とは中心付近の循環ははっきりしないものの、周囲よりは気圧の低い所で、この中心付近の循環がはっきりとしてくれば熱帯低気圧に名前が変わってきます。
熱帯低気圧は台風のたまごとも呼ばれていますので、低圧部はいわば台風のたまごのたまごのようなもので、発達すれば台風となる可能性があるため、これから台風シーズンにかけては注視する存在となります。
気象庁が発表したあさって31日(月)午前9時の予想天気図では、この2つの低圧部のうち、西側(左側)のものが台風のたまご、熱帯低気圧(TDマーク)に変わる予想です。
梅雨前線などの動向に影響も?
2つの低圧部あるいは熱帯低気圧に伴う大きな雨雲は、あさって31日(月)にかけて、それぞれ赤丸の中、フィリピンのすぐ東海上とグアムのすぐ南海上あたりに移動する計算となっています。
しかしその後の動向はまだはっきりせず、かなり不確実な状況です。
上図の計算では、6月4日(金)頃にフィリピンの東海上で1つにまとまっているように見えますが、種々の計算の中には、このあたりで台風の勢力に強めているものがある一方で、ほとんど発達しないもの、あるいはフィリピン付近に到達し、衰弱してしまうものなど様々な結果がある状況です。
ただ今後2つの低圧部あるいは熱帯低気圧の振る舞い次第では、日本の南にある梅雨前線の動向にも影響し、それが日本付近の梅雨の状況を多少なりとも左右するような可能性も否定できません。
もちろんなんら影響が生じない可能性も十分にあり得ますが、2つの熱帯擾乱(ねったいじょうらん)の今後の振る舞いにしばらく要注目です。