【日野市】焼き立てタルトの甘〜い香りが漂う喫茶店「備前」。備前焼の器と共に過ごす、豊かなひととき。
こんにちは♪ 東京都の"ど"真ん中で日野愛を叫ぶ、地域ライターのひのさんぽです(^^)
岡山県南東部に位置する備前市伊部(いんべ)地区を代表的な産地とする陶磁器「備前焼」。ルーツは古墳時代まで遡り、日本遺産にも認定されている伝統的な陶器です。そんな備前焼に由来する喫茶店「備前(びぜん)」は、日野駅から徒歩5分ほどのところで30年以上営業をしている老舗の純喫茶です。
お店の存在は以前から知っていたものの、HPやSNSもなく少し謎に包まれたお店。陶芸家や芸術家など、アートに精通した意識の高い人が集まる喫茶店? と、少々及び腰になっていたのですが、友人を誘ってお茶をしに行ってみました!
Googleマップを片手に向かうと、アパートの1階に「備前」がありました。実践女子大学 日野キャンパスからも徒歩10分ほどのところです。
ドアを開けると香ばしく甘〜い香りが店内に広がり、思わず笑顔になります。
時間とともに積み重ねられた雰囲気や温かみのあるカウンターの上にはホールのタルトが2つ並んでいました。
店内に広がる甘く香ばしい香りの正体は、毎日焼いているという備前オリジナルの手作りタルトやケーキ。
この日は2つのホールケーキが粗熱がとれるのをカウンターの上で待っていました。「お店でオーブンを使うと店内が暑くなってしまうから、夏場は朝早くお店へ来て焼いているの。」と話すのは店主のよしこさん。
初めてお邪魔しましたが、とてもフレンドリーに対応してくれる上品でおしゃれなマダム。備前は32年前、よしこさんが20代の頃にスタートしたお店だそう。
「オープン時には、お店で使う備前焼を岡山まで取りにいったのよ。」と、エピソードもお話してくれました。当時は複数あったカップ類も歳月が経ち、少しづつ割れてしまい、現在コーヒーはノリタケのカップで出しているそう。
ショーケースにはカットされたケーキが並び、イートインで楽しむ方だけでなく、手土産や自宅で楽しむためにテイクアウトされる方も多いそう。
お隣に座っていた常連さんも自宅へお客さんを招く際に、備前のタルトを用意することがあるとお話していました。手作り感、特別感がありますよね。
東側のある大きな窓からは柔らかな自然光がたっぷりと差し込みます。明るい店内は、店名にもなっている備前焼のシュガーポットといった小物や、備前焼の風合いによく合う落ち着いたカラーのテーブルにソファと、味わい深さを感じさせる雰囲気です。
窓際に飾られていたのはよしこさんの作品かと思ったら、常連さんが作ったという作品だそう。地元の方々に愛されていることが伝わってきますね。
メニューはコーヒーをはじめとしたドリンクにケーキ類。お得なケーキセットもありました。
朝は10時半からオープンしモーニング、ランチ、軽食といったお食事も。メニューを見るとどれも非常にリーズナブルな価格! 昨今の物価高の中においては大変ありがたい価格です。
和風サンドやゆずこしょう・ごまクリーム・納豆パスタなど、和テイストの食事も備前の雰囲気にピッタリですよね。
まだ暑い日中。アイスカフェ・オ・レをオーダーしたら氷をピックで砕く音が聞こえてきました。なんだか懐かしさを感じつつ、控えめなBGMも響く居心地の良い空間です。
重厚感ある備前焼のお皿の上には暑い夏におすすめだというヨーグルトのタルト。真っ白のヨーグルトの爽やかな酸味と、ももの缶詰とあんずのトロピカルさが合わさりバランスの良い美味しさです。
クリームと言うより、ゼラチンの入ったゼリー感のあるぷるんぷるんのヨーグルトタルトです。
「備前」へ行くには、日野駅から中央線沿いの旧甲州街道を八王子方面へ向かいます。やや登坂になっているので距離的には5分ほどですが、人によってはもう少しかかる場合もありそう。
Y字の分岐点にきたら右手に進むと「備前」の入口へ到着します。左手は駐車場になっていて備前の看板は見えますが、入口はないのでご注意ください。
「備前」という店名に惹かれ足を運ぶ陶芸好きな方から、近くの実践女子大の学生さん、毎日通うという常連さんなど様々なお客さんがそれぞれ時間を過ごす穴場の喫茶店。
日常から少し離れて、静かで心豊かなひとときを過ごしたい方にオススメです。
備前
住所:東京都日野市大坂上1丁目18−2 サンヒル・セブン
TEL:042-584-9474
営業時間:10時半〜20時
定休日:日曜