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死なないための台風対策〜古い情報のままだと逃げ遅れる

あんどうりすアウトドア防災ガイド  リスク対策.com名誉顧問 
ギリギリになってからの避難は、避難死・車中死などリスクがある(写真:イメージマート)

非常に強い台風7号は、週明けから、大荒れの天気となるだけでなく、接近前からの雨も予想されています。

今後、台風による停電と暑さ対策など、台風関連記事も多くなってくることでしょう。

しかし、意外と報道されないのが、過去の死亡事故からの教訓です。これらの情報は、事故直後には報道されるのですが、時が経つと、忘れられがちです。

同じ悲劇を繰り返さないため、台風が来る前に、教訓として覚えておきたい記事をまとめました。

また、ネットの中には、古い情報に基づいているのに、新規にまとめを作ってしまった記事もあり、昨今の、線状降水帯など、急速に状況が悪化する災害に対応できない情報もあります。

下記の記事を参考に、最新の情報に更新をお願いします。

▼車で避難するリスク アンダーパスだけではなく、慣れた道でも車中死に。避難が遅れると車でも危険になることを具体的に検証した記事

大雨時の車移動中の犠牲者 どのような状況で (静岡大学防災総合センター教授 牛山素行 2020)

▼徒歩で避難する場合のリスク 膝下の水位でも流れがあれば大人でも流され、ガードレールに張り付くことを記した国土交通省「水害に関するワンポイント」(令和4年)を紹介した記事

▼人を助けようとする尊い志を持った方が亡くなってしまう辛い現象「共助死」について問題提起した記事

▼ハザードマップでリスクが表示されていなくても、記録的な雨で被害が生じたケースと共助死について書かれた記事

【検証】浸水想定のない川で氾濫?大雨の現場で何が起きていた

(NHK和歌山放送局:小谷麻菜美 隈部敢 2023)

 もとより、ハザードマップで色がついてない地域でも、「安全」を意味しているわけではありませんでした。しかし、色がついてないと「うちは大丈夫」と安心してしまいがちです。昨今の線状降水帯や記録的な豪雨となれば、ハザードマップに色がついていない場所でも、被害が起こっています。

 同時に、ハザードマップは全ての川を網羅したものではないものの、早めの避難に役立つ情報には変わりはありません。

 ひとりひとりがハザードマップでリスクを知り、リスクがあれば、早めに避難しないと、車では車中死が、徒歩では避難死が起こっています。

 浸水した道を歩こうとする「膝下だったら大丈夫」という情報は、もう古い情報です。

「運動靴で歩けば大丈夫」「杖をつけば大丈夫」という情報は、流れの速いケースや、高低差で流れが起きるケース、急速に状況が悪化するケースなど近年の災害に即していない場合があります。

 そして、避難が遅れると、ご自身だけでなく、逃げ遅れた人を助けようとする人の共助死という痛ましい結果をもたらしてしまいます。

 台風が近づいてくると、「浸水してもこうすれば避難できる」というライフハック情報が増えてきます。しかし、早めの避難以外は、上記の死を招くリスクがあることを、教訓として忘れないでください。

 お盆期間中ですので、今のうちに、ご家族、ご親戚と、土地のリスク、早めの避難の呼びかけ方、避難のためのマイタイムラインの作り方、助けあえる関係づくりを話し合ってみていただければと思います。

【この記事は、Yahoo!ニュース エキスパート オーサー編集部とオーサーが共同で企画したキュレーション記事です。キュレーション記事は、ひとつのテーマに関連する複数の記事をオーサーが選び、まとめたものです】

アウトドア防災ガイド  リスク対策.com名誉顧問 

FM西東京防災番組パーソナリティ 兵庫県立大学大学院 減災復興政策研究科 博士課程 女性防災ネットワーク東京呼びかけ人 阪神淡路大震災の経験とアウトドアスキルをいかした日常にも役立つ防災テクを、2003年から発信。子育てバックは、そのまま防災バックに使えるなど赤ちゃん防災の先駆けとなるアイデアを提唱。技だけなく仕組みと知恵が得られると好評で、口コミで講演が全国に広がる。企業広報誌、子育て雑誌などで防災記事を連載中。ゆるくて楽しい防災が好み。

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