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優勝者は20歳の美女!!それでも 「ミス・コリア選抜大会」が非難されてしまう理由

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
(写真提供=KANG MYUNG HO)過去のミス・コリア選抜大会

日本でも知られる韓国の美女コンテストといえば、「ミス・コリア」だろう。

今年の韓国美女No.1は?

今年は、慶煕(キョンヒ)大学の「平和の殿堂」で「2019ミス・コリア選抜大会」が7月11日に行われた。優勝を意味する「ミス・コリア眞(ジン)」には、20歳のキム・セヨンさんが輝いた。

(参考記事:【写真】今年の「ミス・コリア選抜大会」優勝者キム・セヨンとは?

今回のミス・コリア選抜大会には、韓国各地や海外各地から選抜された32人が参加。優勝したキム・セヨンさんは、アメリカからの出場で、普段はアメリカのアートセンター・カレッジ・オブ・デザインで、グラフィックデザインを専攻しているそうだ。

突如としてスポットライトを浴びた彼女は現在、韓国メディアがさまざまに紹介しているが、そんな光景も毎年恒例のこと。それほどミス・コリアの影響は小さくないのだ。

近年は権威が失墜?

そもそもミス・コリア選抜大会は、韓国の大手新聞社『韓国日報』の主催で1957年にスタートした。今年で63回目を向かえ、文字通り「韓国を代表する美人を選ぶイベント」として韓国はもちろん、日本でも広くその名が知られている。

歴代のミス・コリア受賞者には、その美貌を生かして芸能界などに進出して大女優になった者も少なくない。キム・ソンリョンやコ・ヒョンジョンなどが有名だ。

ただ、最近のミス・コリアはその権威が失墜しているとの指摘がある。

かつてはミス・コリア眞に選ばれた者が「ミス・ユニバース」に、ミス・コリア善(2位)に選ばれた者が「ミス・ワールド」に韓国代表として出場してきたが、ミス・コリア主催者とは異なる企画会社が「ミス・ユニバース」や「ミス・ワールド」と新たにライセンス契約を交わしたことで状況が変わった。

その他、「みんな同じ顔」などとネット上で揶揄されるように、整形疑惑なども問題視されたりもした。

そして今年も批判を受ける出来事があった。

「性商品化」という指摘まで…

イベントの終盤、祝賀舞台として2018年のミス・コリア受賞者たちの韓服パレードが行われた。その韓服は普通のものではなく、「東西洋の出会い」というテーマで、韓服とコルセットを合体させた新しい韓服だった。

しかし参加者たちが着たその“新しい韓服”は、胸元やウエストが強調されたもので、舞台上で韓服のオッコルム(胸部にあるヒモ)をとるパフォーマンスなども加わって、扇情的だと批判されたのだ。

「ミス・アメリカ」で水着審査が廃止となって話題となったが、韓国のミス・コリアも昨年から水着審査を廃止している。しかし「水着はなくしたが“下品な韓服”登場」(『中央日報』)、「水着よりも高い露出」(『YTN』)などと、批判を受けているわけだ。

さらに水着審査こそしなかったものの、水着姿を収めた映像を流すなどの矛盾についても指摘されており、「“性商品化騒動”」(『アジア経済』)といった見出しまで飛び出した。

またしても、「大韓民国最高の美の祭典」(ミス・コリア公式HP)という自賛とは程遠い非難の声に包まれているミス・コリア選抜大会。それほど注目している人が多いという証拠でもあるが、来年こそは改善してほしいものだ。

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ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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