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シンガポール戦でスタメンの太田宏介。イラク戦の翌日に語った熱い意気込み。

河治良幸スポーツジャーナリスト

シンガポール戦のメンバーが発表され、太田宏介がスタメンに名を連ねた。イラク戦からは唯一の変更となる。

※長友はコンディションに問題と伝えられるが詳細は試合前の時点で不明

「2連チャンで神コースに決めておきました(笑)」

太田宏介がそう語ったのはイラク戦の翌日。後ろからトスされたボールをノートラップでシュートする練習で、FWを含む多くの選手が枠外に外す中でひときわ高精度のシュートを放っていたのが太田だ。

左足のキックは得意のクロスに加え、FKやミドルシュートでも発揮される。太田本人も絶対の自信を持っている部分であり、そのキックは海外組を含めても飛び抜けたものがある。

アジアカップでも高いモチベーションを練習から見せていたが、出番が無いまま準々決勝で敗退する憂き目を見た。それでも真摯にメディア対応する表情はしっかりと前を見据えていた。

ハリルホジッチ監督が就任して迎えた2試合目のウズベキスタン戦は途中出場で岡崎慎司のゴールをアシストしたものの、守備にミスが出て本人も反省の多い試合になった。

そして今回のメンバー発表でもハリルホジッチ監督は攻撃面の魅力を評価しつつ、「守備ではまだ向上できる」と改善をうながすコメントを発している。

イラク戦は不出場に終わったものの、シンガポール戦は前日練習のハーフコートマッチでサブ組ながら精力的なアップダウンと鋭いクロスを見せて猛アピール。二次予選の初戦となるシンガポール戦でスタメン出場のチャンスを得た。

イラク戦の翌日に取材に応じた太田はシンガポール戦にかける思いを語っている。太田を取材していて、その熱いコメントとともに強く引き付けるのがギラギラした目だ。

まさに目ヂカラ。ハリルホジッチ監督は「選手の目を見る」と語っていたが、熱いプレーに加え、その目が太田の評価を高めているのかもしれない。

−−後ろからのボールを豪快に決めていたが? 

最後のシュート練習ですよね。2連チャンで神コースに決めておきました(笑)。

−−力強いガッツポーズが出ていたが(笑)? 

なかなかチームでもあれだけシンプルなシュートのトレーニングってやらないから楽しめたし、その中でも集中しながら試合では見られないようなシュートを打てたので、いいイメージがつきました。

−−サイドバック、左右はあるけど、チーム内でいい競争ができているんじゃないかと思が? 

本当にそのとおりで、やっぱり昨日試合を見ていても本当に刺激になるし、練習をやっていてもそうですし、みんなが競争し合いって、いい雰囲気で緊張感の中でやれていると思うんで、外で見ているだけじゃなくてそこに食い込んでいかなければいけないと思いますし、明日も続けてやっていきたいなと思います。

−−ハリルホジッチ監督の要求でチームと共通するところと違うことがある。特にラインコントロールやボールへのアプローチとか? 

そうですね。それは本当にチームとは正反対ですけど、代表に来た時はこっちのやり方を理解しているつもりですし、代表でチームのプレーをやっていたらダメなので、そこは使い分けて、アグレッシブな守備ができればいいかなと思います。

−−いよいよワールドカップ予選が始まりますけど、改めて今の気持ちは? 

予選は個人的には初めてですし、ちょっと3月の親善試合とは違ってピリピリした緊張感の中でやれていると思うので、とにかくしっかり国を背負っているという責任と 自覚を持って、全員で一つになって戦いたいなと思います。

−−シンガポールの話を聞きたいんですけど、当然ボールを持って押しこむ時間が長くなると思うんですが、攻め上がってのクロスが重要になることも考えられるが、そこはどう感じている? 

普段、Jリーグの中でも引いて守るチームが多いので、同じような展開は多いかなとイメージしていますし、いつもイメージしているのは、人がいてもそのスキというか、GKとDFの間のスペースとか、ニアに上げるとボールとマイナスに上げるボールの使い分けだったりとか、そのボールのスピードだったりとか、自分は同じモーションでいろいろなキックを蹴れる自信があるので、早めのアーリークロスは絶対に武器になると思うので、いいイメージを持って準備できたらなと思います。

スポーツジャーナリスト

タグマのウェブマガジン【サッカーの羅針盤】 https://www.targma.jp/kawaji/ を運営。 『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを製作協力。著書は『ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)など。プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHK『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才脳”」監修。

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