敗れながらも美しかった大ベテランの奮闘
現地時間4月16日、ポートランド・トレイルブレイザーズは、右の脹脛を痛めた大エース、デイミアン・リラードを欠きながらも敵地、サンアントニオでスパーズを下した。107-106の1点差だった。
大黒柱がいない分、一人一人がいつも以上に役割を果たす意識で勝ち得た勝利であった。
https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20210419-00233215/
しかし、2日後のシャーロット・ホーネッツ戦では、その良さが消えてしまう。1Q終了時で24-44の体たらく。ホーネッツのポイントガード、テリー・ロジアーに17もの得点を許し、成す術を失う。
3Q、NBA選手となって2年目の若手であるP・J・ワシントンや、3シーズン目のマイルズ・ブリッジズの派手なブロックで攻撃の芽を摘み取られたブレイザーズは、闘志でも劣っていた。
リラードのいないブレイザーズは一度崩れ始めると、歯止めが利かないのかーーー。目を覆いたくなるブレイザーズは、72-93で最終Qに入る。
そんななかで孤軍奮闘したのが、36歳の大ベテラン、カーメロ・アンソニーであった。
アンソニーは4Qで11分16秒コートに立つと、12本のシュートを放ち、その半分を決めた。そのうち、3ポイントは8分の4。同Qのみで16得点し、最後まで試合を捨てず、1mmでも相手に喰らい付く姿勢を見せた。
アンソニーの姿は、2月11日の大爆発、そして前回(3月1日)のホーネッツ戦の彼を髣髴させた。
https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20210213-00222269/
https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20210303-00225399/
結果的に、この日のアンソニーは28分7秒出場し、 ブレイザーズ最多の24得点をマーク。数字以上に、最後まで戦う背中が印象的だった。正に、美しき敗者であった。
3月1日は、試合終了後にホーネッツの19歳ルーキー、ラメロ・ボールが自チームの敗北を受け止め、アンソニーにユニフォームの交換を頼んだが、この日は最多得点を挙げ、勝利に貢献したロジアーが歩み寄り、アンソニーのユニフォームが欲しいと願い出た。
スターターを外れ、シックスマンとなったアンソニーだが、コートで生き様を見せ付けて来る。改めてNBAの魅力を感じたゲームであった。
今日、ブレイザーズはホームでロスアンジェルス・クリッパーズと対戦する。どんな形でアンソニー効果が表れるか。