人生が二度あれば(アスペルガー症候群の特徴を持つ人は、特に子育てが苦手)
こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。
自慢することでも卑下することでもありませんが、私は、軽いアスペルガー症候群です。
アスペルガー症候群とは、
発達障害のひとつで、社会性・コミュニケーション・想像力・共感性・イメージすることの障害、こだわりの強さ、感覚の過敏などを特徴とする、自閉症スペクトラム障害のうち、知能や言語の遅れがないものをいいます。
下記に、アスペルガー症候群の特徴をザックリ記したいと思います。
1.人間関係に困難を抱えやすい。
他者とコミュニケーションにおいては、相手の立場に立って相手の気持ちを理解したり、場の空気を読むことが大切です。ところがアスペルガー症候群の人は、これらのことが苦手であることが多いため、周囲から敬遠されがちになってしまいます。
2.ある特定の物事に強い興味やこだわりを持ちやすい。
アスペルガー症候群の方は、趣味・嗜好が限定されやすい傾向があります。一度興味を持ったものに対しては、時間を忘れてとことんのめり込む一方で、興味がないことに対してはなかなか実行に移すことができません。
3.日常生活がパターン化(ルーティン化)しやすい。
自分の行動や習慣に関しては、自分が決めたルールにこだわりやすく、毎日の行動がパターン化しやすいです。いつもと違うパターン、例えば風呂と夕食の順序が逆になるといった事を嫌がる傾向が強いです。また予期せぬことが起こった時に、パニックになりやすい傾向もあります。
私(竹内成彦)は、1~3まで少しずつ、その傾向があります。
さてここで、私は、重要なことを言わねばなりません。
それは、「世の中には、定型発達者と発達障害者の2種類の人間がいるわけではない」ということです。定型発達と発達障害は、グラデーションです。限りなく定型発達者に近い人と、限りなく発達障害者に近い人がいるだけで、ほとんどの方は、その中間にいます。よって、「俺は、絶対に定型発達者であって、発達障害の気は微塵もない」と言いきれるは、非常に少ないかと思います。
私が、自分で自分のことを、軽いアスペルガー症候群だと思う理由は、社会性・コミュニケーション・想像力・共感性・イメージすることの不得手が若干みられ、こだわりの強さが少しあり、感覚過敏が非常に強いからです。
軽いアスペルガー症候群である私は、年を経ると共に、少年から青年、青年から大人になり、結婚して旦那になり、子どもが生まれて父親になり、ついには子どもが結婚し、孫を持つ身となります。
アスペルガーの私は、正直、自分の役割が変化・追加する度に、軽い戸惑いを覚えました。自分自身は全然変わってないのに、与えられる任務が変わり、世間が私を見る目も変わっていったからです。
結婚して旦那になったり、子どもが出来て父親になったりしたアスペルガー症候群の方が、ストレスを感じたり社会不適応を起こしたりすることは少なくありませんが、私は、そういう人たちの気持ちが痛いほどよくわかります。
そうですね。アスペルガー症候群の方は、柔軟性・適応能力・臨機応変さが要求される子育ては、特に苦手かと思います。
私の家内は、私と出会った時は、ちょうど、少女から女性に変わる頃だったと思います。
その家内は、やがて、私の妻になり、私たちの子どもの母になっていき、ついには、祖母になったわけですが…、
私の家内は、私から見る限り、何の違和感もなく戸惑いもなく、役割に合わせて考え方や行動を変化させていきました。その変貌振りは、見事としか言いようがなく、本当に惚れ惚れとします。
私の周囲にいる女性は、私が起業家、独立自営業者であることも手伝って、社会に出たがる人たちで賑わっており、それはそれで大変に素敵なことだな…と思うのですが、専業主婦に満足し、子どもを育てることを何よりも喜びとしている家内も、まんざら捨てたもんじゃないな…と私は思う次第です。
私は、自分の子育てを、時々振り返ることがあるのですが、恥ずかしながら、子どもを邪魔に感じたことが少なからずあります。それも1度や2度ではありません。今も大変に申し訳なく思っており、無事に育ってくれた子どもに対しては、感謝の気持ちしかありません。
ふと、「家内はどうだっただろう?」と考えると、家内は、子どもが1番で、子どもを育てることを何よりも大切に考えており、子どもをほんのちょっとでも、邪魔にした素振りをしたことは1度もありません。家内は、きっと、そんなこと、思ったことさえもないと思います。
まあ、もっともそれは、私が夫として父親として頼りなかったから…という側面も、否めないかと思います。
そんな私ですが…、
私は、子育ての本を4冊上梓しています。「子どもを育てるとっておきのメッセージ」「ほのぼの育児」「子どもの『生まれつき性格』を大切にする子育て」「正しい子どもの育て方」
さらに私は、子育てに関する講演会を何百回もやっています。
子育てに不向きな性格を持っている私は、
子どもを育てる本能に乏しく、本能のままに子育てすることが非常に困難で、「どうしたら、ちゃんと子育てができるのだろうか?」「どういう父親、そして母親が、良い父親・良い母親なんだろう?」「子どもを、幸せな性格の持ち主にさせるために、いつ何をどうすればいいのだろうか?」と考えながら、懸命に子育て・父親をやってきました。ええ、子育てに関しては、自分なりにメッチャ勉強しました。私ほど、子育てを勉強した人は、そう多くないと自負しています。子育ての本は、100冊以上は、読んでいるのではないかと思います。
ちなみに人間は、他の動物と違って、大脳新皮質が大きくなり過ぎて、「本能がぶっ壊れている」と言っていい状態になっています。よって人間は、他の動物と違って、本能の赴くまま子育てしてはいけないし、本能頼みで子育て出来ない生き物です。よって、子育てする際は、本を読んだり人に訊いたりして、子育てしていってください。
ちょっと子離れしきれていない家内ですし、見ると昼寝ばかりしている家内ですが、
私は、役割を難なく変更できる彼女、柔軟な生き方ができる彼女、どこに行っても直ぐにその場に適応できる彼女を、心から尊敬しています。
以下は、井上陽水さん作詞作曲の「人生が二度あれば」という歌です。
家内を見ていると、上記の歌を思い出します。
華々しく社会に進出する女性、専業主婦で生涯を終える女性、どちらも素敵だと思います。
あなたは、どんな人生を送りたいですか?
どんな生き方でも、人様に極力迷惑をかけない生き方であれば、それはそれでいいのですが、あなたには、出来る限り、納得のいく人生を歩んで欲しいと思います。
私の家内は、結婚しなかったら、どんな人生を歩んでいたのだろうか?
私の家内は、子どもが生まれなかったら、どんな人生を歩んでいたのだろうか?
ひょっとして、華々しく社会に進出し、大きな事業を成し遂げたのではないだろうか?
そう夢想する私が、ここにいます。
今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。
この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。