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前代未聞!田中恒成の初防衛戦が相手が2.9キロオーバーで中止#専門家のまとめ

木村悠元ボクシング世界チャンピオン
(写真:アフロスポーツ)

19日、東京ドームホテルでWBO世界スーパーフライ級タイトルマッチの公式計量が行われ田中恒成(29=畑中)がリミットの52.1キロでパスしたのに対し、挑戦者の同級12位ジョナタン・ロドリゲス(28=メキシコ)がなんと、2.9キロオーバー。

再計量もできず、両陣営が協議した結果、試合は中止となった。体重超過での中止は国内開催の世界戦では史上初となる。

ココがポイント

▼計量の時点で2.9キロオーバーしていたら、2時間後に再計量をしてもクリアできる可能性はゼロに近いだろう

・世界戦中止の田中恒成陣営怒り心頭「ボクシングを辞めた方がいい」 挑戦者2.9kg超過、田中は中止直前まで希望捨てず「戦闘態勢でいます」(THE ANSWER)

▼ロドリゲスは水曜日の練習時に痙攣を起こし練習を中止。体調の改善に努めたが練習ができず計量オーバー

・日本の猛暑による熱中症か? 計量失敗で世界戦ドタキャンのロドリゲス急なけいれんで息もできず(日刊スポーツ)

▼陣営の畑中会長は安全面を理由に危険と判断し中止を決断。興行の兼ね合いもあり難しい判断となった

「ボクシングやめた方がいい」畑中会長が怒り 田中恒成の相手が2・9kg体重超過で試合中止「やらせるわけにはいかない」(デイリースポーツ)

田中恒成はこの試合に勝利したら、WBA・IBF同級統一王者のマルティネスとの試合を希望していた

田中恒成 圧勝V1で井岡を倒したマルティネスと3団体統一戦熱望(東スポWEB)

エキスパートの補足・見解

日本で行われる世界戦で2.9kgのオーバーは異例だ。階級で言うと2階級上のスーパーバンタム級となる。ボクシングの場合、興行の側面もあり、こういった場合でも過去には試合が行われるケースがあった。計量オーバーで世界戦が中止になったのは初めてだ。田中もここまでしっかりと調整してきたので、納得いかない部分もあるだろう。また、選手からすると試合が中止になるとファイトマネーも手に入らない。キツい減量やハードな調整も無駄になってしまう。世界戦クラスになると年間2試合ほどしかできず、その貴重な機会を相手の失態で失うのは酷である。今後の見通しは白紙となったが、気持ちを切り替えてほしい。最近増えている体重超過へのペナルティも含めて早急な改善が必要だ。

元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

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