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再戦では王者が有利か ヘビー級3団体統一戦ウシクVSフューリー

木村悠元ボクシング世界チャンピオン
(写真:ロイター/アフロ)

ボクシングの世界ヘビー級3団体統一王者オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)と元WBCヘビー級王者タイソン・フューリー(イギリス)が、12月21日(日本時間22日)にサウジアラビアのリヤドで対戦する。

試合前日の計量後には、両者が約11分間にもわたり睨み合うフェイスオフを行い、緊張感が高まっている。

今年5月に行われた第1戦では、ウシクが判定勝ちを収め、ヘビー級初の4団体統一王者の座に就いた。しかしその後、IBFからの指名試合の要求を受けたウシクは、これに応じることができず王座を返上している。そのため、今回の再戦では3団体統一戦として行われることになった。

再戦は、両者が互いに手の内を知っているだけに戦い方が変わることが多く、勝者は前回の戦略を踏襲しがちだが、敗者は新たなプランを用意してくるケースが多い。前回の試合では、試合序盤にフューリーがリーチの長さを活かして試合をリードし、ボディへの攻撃も交えながらペースを掴んでいた。しかし、前半にハイペースで攻め込んだ影響からか、徐々に失速。中盤から後半にかけてウシクが盛り返し、第9ラウンドにはフューリーを連打で追い詰め、ダウンを奪う場面も見られた。最終的にはウシクが判定勝ちを収めた。

今回の試合では、両者の体重が重要なポイントとなるだろう。計量ではウシクが226ポンド(約102.51キログラム)、フューリーは281ポンド(約127.45キログラム)と大きな差があった。フューリーはウシクより約55ポンド(約24.94キログラム)も重く、この体格差が試合展開にどう影響するかが注目される。無差別級であるヘビー級には体重制限がないため、両者は自分に最適な体重で試合に臨むことができるが、体重増が必ずしも有利に働くとは限らない。

ウシクは前回の試合では105.9キログラム、フューリーは118.8キログラムで試合に臨んでいた。今回、ウシクは少し体重を落としており、フューリーは約10キログラム増やしている。体重増加はパンチ力やパワーを向上させる一方で、スピードやスタミナに悪影響を及ぼす可能性がある。ウシクが軽量化した分、フットワークを活かしたアウトボクシングでフューリーを翻弄する展開が予想される。反対に、フューリーが体重を活かしてリングを制圧し、ウシクを追い詰めることができるかが鍵となる。挑戦者としては、積極的な攻めを見せポイントを奪いにいく必要があるためよりアグレッシブな展開となると予想される。

海外メディアによると今回の試合では、両者合わせて約1億8000万ポンド(約349億9249万円)のファイトマネーが見込まれている。ヘビー級無差別級という性質上、そのスケールも巨大で、試合結果がボクシング界全体に与える影響も計り知れない。現在、全階級を通じて最強を決めるPFPランキングではウシクが1位に君臨しているが、今回の試合結果次第ではランキングが変動する可能性もある。

試合はDAZNで放送され、第一試合が日本時間12月22日(日)午前1時からの予定だ。メインイベントのウシクvsフューリーは午前8時頃に開始予定となる。両者がどのような戦略を用いて戦うのか、そして勝利の行方がどうなるのか、世界中のボクシングファン注目している。

元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

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