昔、札幌から旭川に転勤してきた取引先の人が「旭川って、おいしい蕎麦屋が多いですね。」って言って驚いていました。

旭川ラーメンが全国的に知られていますが、実は旭川は近くに江丹別や幌加内、上川など蕎麦の産地を抱えていて、蕎麦もおいしいんです。

今回伺ったのは、３条通16丁目にある昭和41（1966）年創業の『東家』です。

時代を感じさせる店構えは、おいしいことを予感させます。

銀座商店街の近くで、お店の前の通りからは三番舘や銀ビルが見えます。

店内は、4人掛けのテーブルが3つ、小上がりに4人掛けの卓が2つとこぢんまりとしていますが、次々と常連さんがやって来ます。

年末ということもあって、年越しそばの予約なんでしょうか。頻繫に電話もかかってきて忙しそうです。ピンク電話が昭和レトロですね。

お品書きには、親子丼やかつ丼、天丼などの丼物もありますが、温メニューの中から「肉そば」を注文しました。

運ばれてきた「肉そば」の丼には、豚肉がたっぷり入っています。

手打ち手切りで、少し幅が広い素朴な二八蕎麦。昔ながらの蕎麦って感じがします。

汁は辛めですが、そこに豚肉の脂の旨味が染み出して甘みを加えています。

半分ぐらい食べた時、「そういえば運んできてくれたお店の方が、胡椒はそこにあります。」って、言っていたことを思い出しました。

その時は、蕎麦なのになぜわざわざ胡椒の場所を説明するんだろうと思いながらも、聞き流したのですが、気になったので試しに「肉そば」に胡椒をかけてみました。

胡椒のピリっとした後味が、出汁の効いた汁によく合って驚きのおいしさ！日本蕎麦に胡椒って合うんですね。