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大物との契約が破談したジャイアンツは「同じ代理人」の選手と契約するのか。あるいは売りつけられる!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
マイケル・コンフォート Sep 12, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 サンフランシスコ・ジャイアンツは、打線をグレードアップしたいと考えていて、そのための資金も用意している。

 地元出身のアーロン・ジャッジには、9年3億6000万ドルの契約を申し出たらしい。ニューヨーク・ポストのジョン・ヘイマンやUSAトゥディのボブ・ナイテンゲールによると、ジャッジと再契約を交わしたニューヨーク・ヤンキースは、1年4000万ドルを上乗せし、ジャイアンツが提示した年数と金額に揃えたという。

 続いて、ジャイアンツは、ブランドン・ニモに契約を申し出たようだ。こちらは、ニューヨーク・ポストのマイク・プーマらが報じている。ジャイアンツが提示した契約は不明ながら、ニモは8年1億6200万ドルでニューヨーク・メッツへ戻った。

 その後、ジャイアンツは、カルロス・コレイアと13年3億5000万ドルの契約で合意に達した。けれども、締結には至らなかった。ジャイアンツがコレイアの身体状態に懸念を示し、コレイアは12年3億1500万ドルでメッツに入団することになった。

 ジャッジ、ニモ、コレイア……。次のターゲットは、この選手なのだろうか。サンフランシスコ・クロニクルのスーザン・スラッサーは、こうツイートしている。「ジャイアンツはマイケル・コンフォートにいくらかの興味を抱いているらしい、驚かないで:彼はスコット・ボラスの顧客」

 ジャッジとニモは違うが、コレイアはボラスを代理人としている。

 コンフォートは、2014年のドラフト全体10位だ。来年3月に30歳となる。2017~19年には、それぞれ、27本、28本、33本のホームランを打った。選球眼も悪くない。昨オフにメッツからFAとなった際は、NBCスポーツ・ベイエリアのアレックス・パブロビッチが「ジャイアンツは左打者を探していて、コンフォートも候補の一人」と報じていた。

 だが、ジャイアンツは、コンフォートと同じ左打ちの外野手、ジョク・ピーダーソンを迎え入れた。コンフォートは、どの球団とも契約を交わすことなく、FAのまま1年以上を過ごし、現在に至っている。今オフ、ピーダーソンは、クオリファイング・オファーを受け入れた。

 昨シーズン、コンフォートは、序盤に右太腿裏を痛めた影響なのか、125試合で14本塁打にとどまった。また、今年1月に右肩を痛め、4月に手術を受けた。故障歴のあるボラスの顧客という点は、コレイアと共通する。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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