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デビュー以来15連勝(12KO)を飾ったサウスポー

林壮一ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Esther Lin/SHOWTIME

 19歳の新鋭ミドル級、イライジャ・ガルシアがケビン・サルガドを10回判定で下してデビュー以来15連勝を飾った。

 25歳のメキシカン、サルガドはガルシアのディフェンスを崩して序盤に主導権を得る。しかし、14勝12KOのガルシアと15勝(2KO)1敗の戦績が示すように、"怖さ"を備えていたのは19歳だった。

 第5ラウンド後半、ガルシアはパワーショットを当てるポイントを掴みだし、ペースを握る。

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 ガルシアは「インサイドで戦おうとして、ちょっと正面に立ち過ぎてしまった。自分は足を使う必要があった」

 と振り返ったが、第6ラウンドに強烈な左ストレートを放ってサルガドを後退させた。

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 第7ラウンドにサルガドはローブローで減点を喰らい、これが致命傷となった。スコアは95-94、97-92、97-92でガルシアを支持した。

 結果に納得できない敗者は言った。

  「いい試合だったと思うので、困惑している。レフェリーは僕の邪魔をし続けた。減点されたけど、自分がガルシアに後頭部を殴られた時は何も言わなかったじゃないか。流れに逆らって泳いでいるような気分だった。メキシコ人はいつも、ジャッジ、対戦相手、審判、ホームのファンなど、あらゆる者を敵に回して戦わなければならない。すべてが障壁となって、前に進めやしない」

Esther Lin/SHOWTIME
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 デビューから無傷の15連勝を飾ったガルシアは、「毎日ジムで練習して、もっと成長しなければ。今日も沢山のことを学んだ。6ラウンドを超えたのは初めてだったが、10ラウンドをフルに戦えた。こういう試合をすれば、世界タイトルに近付けるさ」と話した。

 ガルシアは今年3月にWBCラティーノタイトルを獲得した際、打撃戦を制して4回KO勝ちした。顔面を血で染めながら粘り強く戦った前回のファイトと比べると、今回はスマートなリングパフォーマンスだった。

 まだ19歳。自身の可能性をどこまで広げられるだろうか。

ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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