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冬季は妊娠率が高まる?アメリカ東部は、史上最も寒いバレンタインデー 

森さやかNHK WORLD 気象アンカー、気象予報士
(写真:ロイター/アフロ)

バレンタインデーの昨日、チョコレートが溶けてしまわないかと、心配された方も多くいたことだろう。東京都心は、強い南風の影響で気温が23℃まで上昇し、5月を思わせるポカポカ陽気となった。ちなみに、チョコレートの溶け始める気温は、28℃くらいと言われているので、日光に当てさえしなければ大丈夫なようだ。

極地方からの寒波が、アメリカ北東部に押し寄せた。NOAA
極地方からの寒波が、アメリカ北東部に押し寄せた。NOAA

一方、アメリカ東部では、史上最も寒い記録的なバレンタインデーとなった。

日曜朝の気温は、ニューヨークでマイナス18.3℃、ボストンではマイナス22.8℃まで下がり、観測史上最も低い日最低気温を記録した。

この寒さや雪の影響で、ニューヨークでは恒例のアイスフェスティバルが中止となり、ペンシルベニア州では車60台以上が絡む衝突事故が発生。当然のことながら、バレンタインデートを楽しめる天気ではなかった。

しかし、ここに興味深い調査結果がある。

冬は妊娠率が高まる?

とあるマッチング会社の統計によると、イギリスで最も多い誕生日は9月16日。そして逆算をして、最も妊娠しやすい日は12月11日になるのだという。

なぜなのか。

気になって調べて見ると、気温が低いと精子が活発になる傾向があるとか、冬期は男性が女性を魅力的に感じやすいとか、その事実を支持する様々な研究結果が見つかった。

また、大雪が降ると、ベビーブームが来ることが、いくつかの国で証明されている。

例えば、2010年1月、イギリスで記録的な大雪が降ったが、その9カ月後の10月に、20年来のベビーブームが訪れた。また、アメリカでも、2009年12月の大雪の9ヶ月後に出生率が急激に上がり、産婦人科病院がてんてこ舞いであったとニュースになったことがある。

この時期産まれた子供たちは、気の毒なことに「ブリザード(暴風雪)ベイビー」と言う、なんとも可哀そうなあだ名をつけられた。

こうして出生率が上がった理由は、男女が外に出られず家に閉じこもっていたことが最大の理由になろうが、いずれにしても、冬は妊娠率が高くなる可能性があるのだと言える。

どうやら冬は、愛を育むのに適した季節のようだ。

NHK WORLD 気象アンカー、気象予報士

NHK WORLD気象アンカー。南米アルゼンチン・ブエノスアイレスに生まれ、横浜で育つ。2011年より現職。英語で世界の天気を伝える気象予報士。日本気象学会、日本気象予報士会、日本航空機操縦士協会・航空気象委員会会員。著書に新刊『お天気ハンター、異常気象を追う』(文春新書)、『いま、この惑星で起きていること』(岩波ジュニア新書)、『竜巻のふしぎ』『天気のしくみ』(共立出版)がある。

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