#こども庁 「子どもの命を守る」「子どものための予算をとる」ために必要 #山田太郎 議員に聞きました
こども庁(子ども庁)を、自民党が衆議院選挙の公約にしようとしている、という報道が多くなってきました。
しかし、私は財源や政策をともなわない口先だけの公約での懸念や、省益争いで終わるのではという心配もしています。
自民党議員として、こども庁に関する有志提言をとりまとめられた、山田太郎参議院議員に、こども庁が子ども・若者や、子育てするママパパにどのようなことを実現したいのか、うかがいました(山田議員のお考えということで、自民党の決定というわけではないことにご注意ください)。
山田議員ご自身は、いま、自民党内でこども庁を検討する、「こども・若者」輝く未来創造本部の幹事として、自民党としてのChildren First(子どもファースト)の政策をとりまとめる最前線でご活躍です。
1.こども庁は「子どもの命を守る」「子どものための予算を増やす」組織
Q.まず山田議員に、こども庁で実現したいことは何ですか、と聞きました。
山田議員のご回答は、とても明確でした。
※以下、太字部分が山田議員のご回答です。
A.
こども庁は、まず「子どもの命を守る」ための組織だと考えています。
子どもたちの緊急の課題、とくに命と尊厳を守ること第一の主眼に置くべきです。
虐待への対応、子ども若者の自殺予防だけでなく、子どもたちを性暴力から守る日本版DBSという仕組みや、子どもたちの死因を検証するチャイルド・デス・レビュー(日本版CDR)、あるいは特別養子縁組をした子どもたちの情報がきちんと管理されていないという問題など、政府が現時点できちんと対応できていない課題に緊急に取り組むことが必要だと考えています。
同時に、こども庁は「子どものための予算を増やす」ための組織として提言しました。
いままで子どもに関する予算は削られるばかりでした。
それは、子どもたちの予算を増やす担当大臣がいなかったからです。
こども庁大臣は、子どもの予算を増やす司令塔となる存在です。
2.こども庁大臣は子ども政策の司令塔
子どものための予算を取る、子どものあらゆる問題に責任を持つ
Q.子ども・若者のための予算が足りない、増やせなかったことは、教育学の研究者である私も以外にも、経済学や社会政策学の研究者たちも、日本の課題だと指摘してきました。
こども庁大臣の役割について、山田議員のお考えを具体的にお教えください。
A.
子どもの問題がおきたとき、既存の省庁の組織で所管している問題でなければ、国として責任を持つ大臣がこれまでいませんでした。
だからこそ、子どものあらゆる課題に対し、責任を持ち、司令塔となる専任の大臣が必要だと考えています。
また、予算をきちんと取るとが、こども庁大臣のもっとも重要な役割です。
子ども関係予算は、現時点では日本はGDP比1.7%にすぎませんが、OECD並みに3%にしていくためにも、子どものために予算を取る責任者として、こども庁大臣が機能することが必要です。
子ども政策や子育て政策は財源の裏付けがないとできません。
しかしこれまで、子ども政策や子育て政策に関連する各省庁は予算を守るだけで、とられる一方でした。
それは、子どもや子育てのどのような政策に重点配分をするかということを、決める司令塔がいなかったからです。
こども庁大臣は司令塔として、重点的に予算を増やす領域を決め、文科省・厚生労働省等の関連省の政策を含め、予算をきちんと取ってくる責任を遂行する大臣だと考えています。
3.子どもを産みたい産んで良かったという国にしたい、次の社会を作るためにも十分な財源が必要
政府の“骨太の方針”や自民党の衆議院選挙公約は?
Q.
子どもや子育てのための財源を増やし、政策を充実させることはとても重要であり、強く共感します。
今回の議論を通じて、政府の“骨太の方針”や自民党の衆議院選挙公約について、財源や政策の話はどのようになりそうでしょうか?
特に、財源論や政策論が後回しになるのでは、という子育て世代の心配は強いです。
A.
こども庁の2つの大きな柱は、「子どもの命と尊厳を守る」、「子どものための予算を取る」ということです。
この国では子どもを産むのがマイナスでは、という風潮がある中で、子どもを産みたい産んで良かったという国にしたいのです。
そのためには政府が大胆に財源を増やし政策を充実しなければいけないところまで日本は来ています。
次の社会をつくるためにも、十分な財源を子どもや子育て世代に充てていきます。
こども庁を作ることは、子ども、子育て世代にお金をつけることです。
政府の“骨太の方針”や自民党の衆議院選挙の公約でも、子ども関連予算倍増ということを、打ち出していくべきだと考え、こども庁の議論の担当幹事として動いています。
でないと政策が現実になりません。
政府内の大臣経験者からも、財源は必要だという話は出ています。
とくに、子どもの命や尊厳を守るための予算の優先度が高いと、考えています。
子ども本人や家庭などに、必要な予算を十分つけていくための議論を、自民党内でもすすめています。
4.児童手当の特例給付廃止はどうなりますか?
Q.
子どもや子育てのための予算の増額があるのならば、高所得世帯の児童手当を削る方針(児童手当の特例給付廃止)も、変更されると考えてよいのでしょうか?
A.
児童手当の件はいまも、自民党内でたたかっていますが、すでに方針は党議で決まってしまっています。
個人的には、高所得世帯は子どもの扶養控除(年少扶養控除)復活か、こども庁発足の議論の中で、やはり児童手当が大事ということで高所得層にも給付の可能性はあると考えています。
児童手当を高所得者から取って、待機児童に充てることにしたのは財務省でした。
高所得層への児童手当については、金持ちの子どもに月5000円出すのかという議論もあれば、高額の税・社会保険料を払って子育てまでしている高所得の保護者を支援から排除するのはおかしいなど、多様な意見があります。
年収1200万円であっても多子世帯であれば、金銭面で厳しい実態があることも確かです。
扶養控除や、児童手当の多子加算の議論も進めていきます。
将来的には、こども庁で財源をとって、議論の組み替えがされることが期待できると考えています。
5.子ども基本法や子どもを性犯罪者から守る日本版DBS等の重要政策は、もちろん同時進行
Q.
私自身が心配しているのは、こども庁の組織づくりばかりに自民党が力を入れたり、官僚の人員も不足する中で、子ども基本法や子どもを性犯罪者から守る日本版DBS等の重要な政策にストップがかけられてしまわないかということです。
A.
その心配はありません。
日本版DBSについては、上野通子議員、木村弥生議員はじめ自民党が提言案をまとめたところです。
私自身も日本版DBSも、子ども基本法も、大切だと考え、こども庁と並行して動きをすすめています。
こども庁については、どのような組織とするかの議論が報道されていますが、それは違うと考えています。
子どもや子育て世代に何を実現すべきかを優先して考えることで、結果として組織のあり方が決まってくるはずです。
おわりに
山田太郎議員のお考えは、私自身の考えと重なるところも多く、「子どもの命を守る」、「子どものための予算を取る」自民党になれば、この国の政治が子どもを産み育てやすい政治になると考えました。
ホームページやテレビではにこやかな印象のある山田議員ですが、とても真剣な表情でオンラインインタビューに応じていただき、日々真剣に自民党内での役割と、国会議員としての活動に取り組んでおられる様子がうかがえました。
この国の政治から子育て罰をなくし、子どもを産み育てやすい国、子ども・若者やママパパに優しい国にしていくためにも、山田議員はじめ自民党有志のご活躍と、そして自民党内の議論を引き続き注視していきます!