ノルウェー版広告の炎上 売春ツアーを連想させたヨーグルト
ノルウェーでも企業の広告が炎上することがある。最近話題となったのは、シンヌーヴェ・フィンデン(Synnove Finden)社の人気商品「ギリシャのヨーグルト」(Gresk Yoghurt)だ。
社の公式HPや商品に記載されたメッセージはこうだ。
「GeorgiosがあなたのことをGreskpause.noで待っている」
「Gresk pause」は「ギリシャの休憩」というような意味。
ギリシャ人男性を連想させるGeorgiosさんは、青色の海水パンツ1枚で、青空の下、ヨーグルトを食べながら、浜辺で日光浴をしている。
「ギリシャ旅行をあてよう」、「世界で最もゆったりとした懸賞」という宣伝文句が、キャンペーンサイトでは流れる。このサイトでは3時間もの間、肌を見せるGeorgiosさんの姿が延々と映し続けられた。
消費者からは「セックス観光を連想させる」とクレームが殺到。
冬が長い雪国ノルウェーでは、日差しを求めて「南への旅行」が以前から流行っている。「南」というのはノルウェーより南に位置する暖かい国だ。同時に、「物価が安い南には、太陽や海だけではなく、期間限定の恋人との出会いがあるかもしれない」という噂がないこともない(もちろん誰もがそういうことをしているわけではない)。
企業のFacebookページなどには「夫がふざけてこの広告を見せてきて、話し合わなければいけませんでした。がっかりしました。今は2017年ですよ」、「ばかなの?」という苦情が寄せられる。
さまざまなキャンペーンを分析する情報サイトKampanjeによると、「失業者増加と売春が問題化している国を対象に、売春観光を連想させるような広告をノルウェー企業がだすとは非常識」と、フェミニストであるオルセン氏は語る。ほかに、「オイルを肌に塗っているのが女性であれば、批判を予測できてあろうに、なぜモデルが男性ならば大丈夫だと思ったのか」という疑問も各メディアで指摘されている。
企業はオルセン氏に対して、Facebookで「ギリシャの有名なステレオタイプをユーモアとして表現したかっただけ」と謝罪。
国営放送局NRKをはじめとして、現地の大手メディアもこの件を一斉に報じる。ノルウェーの監視機関である「消費者オンブッド」でも審査が検討されており、ヨーグルトの企業は謝罪。
問題とされたキャンペーンは早々に打ち切られ、サイトなどは現在閲覧不可能になっている。
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Text:Asaki Abumi