突然ですが、川西市に銭湯があるのをご存知ですか？　筆者は20年以上この街に住みながら、つい先日まで、まったく知らずにいました。こんなにも魅力的な場所を見過ごしていたなんて、残念！

市内唯一の公衆浴場「極楽湯」

ご紹介するのは、創業55年の「極楽湯」。場所は、阪急宝塚線「川西能勢口駅」から歩いて10分ほどにある、市内唯一の公衆浴場です。

最近の銭湯は昔とは異なり、目印となる高い煙突や煙がありません。それは「極楽湯」も同様。周囲の街並みに溶け込んでいたため、その存在に気付くことができませんでした。

昭和のノスタルジーが詰まった銭湯

のれんをくぐると、木札のついたロッカーが並んでいます。レトロ好きな筆者にはたまりません。

出迎えてくれたのは、3代目のご主人、濵谷 （はまたに）康晴さんと奥さまの裕美子さん。お2人にご協力いただき、営業前の「極楽湯」を見学させていただきました。

まずは、ロビーにある冷蔵ケースを拝見。昔懐かしい顔ぶれが勢揃いしていました。

となりの冷凍ケースにも、今となってはなかなか見かけることのないアイスクリームたちが。まるで昭和へタイムトリップしたかのような光景に、テンションが上がります♪

かつては番台だったフロント。ここに座ってお客さんを出迎えるスタイルは、昔も今も変わりません。

大・小あるタオルはレンタルできるので、手ぶらでもOK。また、“牛乳瓶”や“湯気”といった、銭湯ならではのアイコンが盛り込まれたオリジナルタオルも販売中。

入浴料金

入浴料金は、大人・中人・小人以外に、中学生（¥300）と高校生（¥350）料金があります。

学生料金を設けたことで、部活や学校帰りの生徒さんの利用が増えたと言います。時代を超えて愛されるって素敵ですね。

お得な回数券も販売

回数券もあり、大人の方であれば1回あたりの料金が80円以上もお得に。有効期限は、次回の料金改正まで。（猶予期間あり）

これまで、入浴料金の改正ごとに回数券の色を変えてきたのだそう。新旧取り混ぜて見せていただきましたが、これまたフォトジェニック♪

広々とした脱衣所

脱衣所はゆったりとした造りで、女性用の更衣室にはベビーベッドが3台ありました。

懐かしの「お釜ドライヤー」を発見！ 3分間で20円です。

となりのマッサージ機も現役。これを目当てに訪れるお客さんもいるようです。

開放感たっぷりの浴室

営業時間前であることから、男風呂も見学させていただきました。造りは女風呂と同じ。浅め・深めの浴槽が2つと、ジェットバス・スチームサウナ・水風呂があります。

極楽湯の水風呂は、ほかの銭湯より冷たいのだとか。常連さんが教えてくれました。

湯気を抜くための天窓からは、光が差し込みます。雨の日にはここに雨粒が当たり、心地よい雨音が風情たっぷり。ヒーリング効果も期待できそうです。

ここでもレトロなタイルや桶が気になります。昔のデザインやフォントって本当に可愛い！

せっかくなので、営業開始を待って、筆者も入浴することに。自宅とはちがい、広い浴槽に手足を伸ばして入るのは最高です。 まさに、極楽！

夏場はついシャワーで済ませがちですが、冷房で冷えた身体をほぐすには、やっぱりお風呂が一番。汗は流れますが、サラサラしていて気分はすっきり。

疲労回復や夏バテの予防にも、お湯につかることは大切。血流も良くなり、今夜はよく眠れそう。

入浴後のお楽しみ

お風呂あがりに「お釜ドライヤー」に挑戦してみました。果たして3分で乾くのでしょうか…。

まずは、椅子に座ってお釜をかぶります。20円入れると、冷たい風が勢いよく出てくるのですが、乾かすと言うよりも吸いこまれる感じ（笑）半信半疑でしたが、見事3分で乾きました。 これは筆者の髪が短かかったこともあるので、セミロング以上の方は難しいかも。もちろん、普通のドライヤーも用意されていますで、ご安心ください。

お風呂上がりの一杯＆一服

銭湯で汗を流したあとのお楽しみと言えば、やはり冷たい飲み物。この夏、「極楽湯」では、全国各地のシュワシュワするご当地飲料を集めた「ガラスびんでシュワシュワ市」を開催しています。

購入された方には、先着順でステッカーシールをプレゼント。と、ここでご主人が1本ご馳走してくださいました。一口飲むと、その冷たさが身体中に沁みわたる！ソファに座り、うちわでパタパタ仰ぎながらボ〜ッとしていると、フル稼働していた脳みそも空っぽに。

見ていると、顔見知りや見ず知らずの人々が、軽く言葉を交わしています。こんな風に、誰ともなしにゆるい繫がりを持てるのも銭湯のいいところ。

喫煙ルームをのぞいていると「人生もちょっと一服いれながら進むくらいが丁度いいよ」と、濵谷さん。その言葉にドキッとさせられました。毎日バタバタしている人にこそ、銭湯は必要なのかもしれません。

銭湯で「落語」が楽しめる縁日を開催

2024年7月21日（日）には、入場無料の縁日が開催されます。 お楽しみが盛りだくさん。また、市内在住の落語家 桂 白鹿（かつら はくしか）さんをお招きして落語を聞くこともできるそう。（有料）銭湯と落語の組み合わせなんて面白い！ ぜひ、お誘い合わせのうえ、足を運んでみてくださいね。

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