オートバイのあれこれ『エンジン屋としてのヤマハ』
全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。
今日は『エンジン屋としてのヤマハ』をテーマにお話ししようと思います。
我らバイクファンにとっては、“二輪メーカー”のヤマハ。
ただ、ヤマハは四輪の分野でも密かに活躍しているのを知っていますか。
ヤマハは、クルマのエンジンもちょくちょく手がけているのです。
有名なのは、トヨタ『2000GT』のエンジン開発。
『クラウン』に搭載されていたM型エンジンのヘッドをシングルカム(SOHC)からツインカム(DOHC)へと改変し、ミクニ製のソレックス2バレルキャブレターを三連装するなどのテコ入れを行いました。
ヤマハの手が加わったことで、2000GTのエンジン『3M』は150psを獲得。
150psは、当時の一般的な乗用車の3倍に当たるスペックでした。
この圧倒的なスペックで以てして、2000GTはFIA(世界自動車連盟)公認のスピードトライアルにて3つの世界記録を樹立。
日本のスーパースポーツカーとして、2000GTは世界に名を馳せることとなったのでした。
また最近のクルマで言えば、レクサス『LFA』のV型10気筒ユニット『1LR-GUE』もヤマハの作品になります。
『1LR-GUE』には、ヤマハの二輪用エンジンのノウハウが積極的に落とし込まれ、高回転高出力型としつつ、低重心・コンパクト化が図られています。
スペックは、4.8リッターでピークパワーが560ps。
560psというと、日産『GT-R』やフェラーリ『458イタリア』、ランボルギーニ『ガヤルド』などと同等のレベルですね。
LFAなら有名スーパーカーとも張り合えます!
ちなみにですが、この『1LR-GUE』は“音”にもこだわりが注がれており、エンジン音のチューニングは楽器製造のほうのヤマハが担当しています。
数字的なスペックにとどまらず、官能性にもヤマハのエッセンスが入っているのですね。
環境性能が問われる近年ではV型8気筒の水素エンジンなども開発しており、四輪の分野においてもヤマハの技術はなくてはならない存在となっているようです。
もうこの際、丸々1台スポーツカーを作ってほしい!と思う私なのでした。
《参考》
ヤマハヒストリー『2000GT』