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今井翼、リベンジの開幕。『★さよなら!〜青山劇場★ PLAYZONE 30YEARS★1232公演』

杉谷伸子映画ライター

今月末に閉館する青山劇場で、1月6日、『★さよなら!〜青山劇場★ PLAYZONE 30YEARS★1232公演』が幕を開けた。前日5日には公開ゲネプロが行われ、昨年11月からメニエール病で療養していたタッキー&翼今井翼が本格復帰。

今井がどんなパフォーマンスを見せてくれるのか。今井の本格復帰となる『★さよなら!〜青山劇場★ PLAYZONE 30YEARS★1232公演』の関心は、そこに集中していたと言っていい。なにしろ、ダンスと歌だけで構成するエネルギッシュで濃密なエンターテインメントショーである。万全の体調をもってしてもハードなステージであることは想像に難くない。しかし、今井たちは青山劇場の最後を飾るにふさわしい素晴らしい「PLAYZONE’15」を見せてくれた。

「正直もっとできるという悔しさも歯痒さだったりもあったりします」という今井の参加ナンバーは、ドクターの指示もあり、本来予定されていたという18〜19曲から11曲に抑えられている。けれども、それで密度も満足度も下がったりなどしないのが『PLAYZONE』(通称「プレゾン」)。青山劇場での“夏のプレゾン”としては最後となった昨夏の『PLAYZONE1986…2014★ありがとう!〜青山劇場』とは曲目や曲順は入れ替えながらも、『Road to Playzone』『光』『Guys Playzone』といったオールキャストで踊るお馴染みのナンバーを交えたステージは、「プレゾン」ならではの圧倒的な迫力。そして、「この11曲のなかで、存在意義というか存在証明をしっかりやっていきたい」という言葉どおり、今井は歌いながらのダンスという、とても病み上がりとは思えない力強いパフォーマンスで格段のオーラを放つ。その存在の大きさとエンターテイナーとしてのレベルの高さを再認識させる構成は、同時に、今井の男らしい歌声に惚れ直させるものでもあるのだ。

それにしても、今井の「プレゾン」への“帰還”を印象づける登場シーンに始まり、トラヴィス・ペインの演出の素晴らしいこと! ジャニーズの名曲に新たな息吹を吹き込む、彼とステイシー・ウォーカーの振り付け。そして、その世界を鮮やかに体現し、歌とダンスの融合の醍醐味を堪能させてくれる、今井、中山優馬屋良朝幸ふぉ〜ゆ〜They武道“MAD”Travis Japanの面々。来年以降も、ぜひ観たい!

ゲネプロにはトラヴィスやステイシーと並んでステージを見守るKinKi Kids堂本光一の姿も。キャストが客席通路に降りる『Funky Flushin'』では、「光一くんもFunky night!」と歌詞を変えて歌われるなか、They武道の山本亮太に抱きつかれた堂本が照れくさそうにしていたのが微笑ましかった。昨夏の公演でもそうだったが、「プレゾン」はゲネプロでも幸せな景色を見せてくれるのも印象的。これも、ステージと客席が一体になれる演出が盛り込まれた作品だからこそでは。

入院中の思いを「正直、心は折れましたけど、なによりファンの方であったり、仲間であったり、スタッフであったりとたくさんの方々の支えがあったからこそ、気持ちを繋ぎとめることができた」と話していた今井は、逆境を乗り越えてステージに帰ってきた。この5年間カンパニーを率いてきた彼が、青山劇場では最後となる「プレゾン」のステージに立てた意味は大きい。「僕にとっては、今年はリベンジの年」とも語った今井。青山劇場の有終の美を飾る「PLAYZONE’15」で、今井翼のリベンジが幕を開けた。

『★さよなら!〜青山劇場★ PLAYZONE 30YEARS★1232公演』は1月22日まで。

映画ライター

映画レビューやコラム、インタビューを中心に、『anan』『SCREEN』はじめ、女性誌・情報誌に執筆。インタビュー対象は、ふなっしーからマーティン・スコセッシまで多岐にわたる。日本映画ペンクラブ会員。

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