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4年連続の開幕戦ホームランは史上最長タイ。新記録は違うチームで打ち立てる!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ウィルソン・コントレラス(左)とタイラー・オニール Mar 30, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 3月30日、タイラー・オニール(セントルイス・カーディナルス)は、3回裏に2ラン本塁打を記録した。

 過去3年も、オニールは開幕戦にホームランを打っている。2020年が1打席目にソロ本塁打、2021年が3打席目に2ラン本塁打、2022年は2打席目に3ラン本塁打だ。4年連続の開幕戦ホームランは、史上最長タイ。1955~58年のヨギ・ベラ、1977~80年のゲリー・カーター、1994~97年のトッド・ハンドリーに並んだ。

 これまでの3人は、いずれも捕手だ。このストリークも、捕手として開幕戦に出場し、記録している。一方、オニールは外野手なので、捕手以外では初ということになる。

 また、最初の開幕スタメンから4年続けてホームランも、オニールが初めてだ。オニールは、今年がメジャーリーグ6年目。2018年は開幕から3週間後にメジャーデビューし、翌年の開幕戦は代打として1打席に立ち、センター・フライに終わった。

 いずれにせよ、来シーズンの開幕戦でもホームランを打てば、ベラ、カーター、ハンドリーを抜き、単独最長のストリークとなる。

 ただ、オニールは、新記録がかかる開幕戦に、カーディナルスとは違うチームの選手として出場するかもしれない。

 現在のカーディナルスには、開幕戦で外野に並んだ3人、左から右へ、ラーズ・ヌートバー、オニール、ジョーダン・ウォーカーの他にも、昨シーズンは外野手として109試合に先発出場したディラン・カールソンがいる。今シーズンの年齢(6月30日時点)は、それぞれ、25歳、28歳、21歳、24歳だ。

 4人が揃って活躍すれば、カーディナルスは、この夏やこの冬、投手や内野手を手に入れるため、そのうちの1人をトレードで放出することもあり得る。

 その場合、移籍の可能性が最も高いのは、オニールだろう。2024年のシーズンが終わると、オニールはFAになる。それに対し、カールソンは2026年のオフ、ヌートバーは2027年のオフまで、FAにはならない。ウォーカーは、メジャーデビューしたばかりだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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