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【46.6℃】豪州アデレードで前代未聞の高温記録

森さやかNHK WORLD 気象アンカー、気象予報士
(写真:アフロ)

全豪オープンで大活躍をしている大坂なおみ選手ですら、この暑さにはお手上げといったところでしょうか。23日(水)の試合後に行われた勝利インタビューで「外は暑いので、早く中に入りたいわ」と話し、会場から笑い声が上がる一幕がありました。

アデレードで観測史上最高気温

連日猛暑が伝えられるオーストラリアですが、24日(木)は南オーストラリア州の州都アデレードで、観測史上最高気温となる46.6℃が記録されました。これはこの時期の最高気温の平均よりも18℃も高い気温でした。

これまでオーストラリアにおける最も暑い州都は、最高気温46.4℃の記録を持つビクトリア州メルボルンでしたが、今回の記録でアデレードがその座をとって代わることになったのです。

24日(木)はアデレードのほか南オーストラリア州Whyallaで48.5℃、Snowtownで47.3℃、Port Augustaで49.1℃まで気温が上がり、それぞれ観測史上最高気温を記録しました。

(↑車中でステーキが焼けるくらいの暑さ)

暑さの原因

24日の地上天気図 (画像元: オーストラリア気象局)
24日の地上天気図 (画像元: オーストラリア気象局)

この暑さの原因は、接近している低気圧と前線に向かって吹き込む北風でした。このためオーストラリアの内陸部からの暑い空気が南部へと流れ込んだのです。

しかし25日(金)にはアデレード周辺を寒冷前線が通過するため、気温は大幅に下がる見込みです。

一方で全豪オープンが開催されているメルボルンでは気温が上昇し、25日(金)の最高気温は44℃まで上がると予想されています。また最低気温も29℃と見込まれ、寝苦しい夜となりそうです。同市の最低気温の最高記録は1902年に観測された30.5℃ですから、それに1℃と迫るほどの高温です。

野生動物の大量死

今夏オーストラリアでは、熱波によりコウモリや魚などの大量死が報道されていますが、新たに中部で40頭近くの野生の馬が死んでいるのが発見されました。

馬の死体が見つかったのは「ディープホール」と呼ばれる水場です。普段は水があるこの場所は、ここ2週間42℃を超える暑さが続いており、カラカラに干上がっていたようです。馬の死因はまだ明らかではありませんが、水を求めにやってきた馬が、そこで息絶えたのではないかと考えられています。

NHK WORLD 気象アンカー、気象予報士

NHK WORLD気象アンカー。南米アルゼンチン・ブエノスアイレスに生まれ、横浜で育つ。2011年より現職。英語で世界の天気を伝える気象予報士。日本気象学会、日本気象予報士会、日本航空機操縦士協会・航空気象委員会会員。著書に新刊『お天気ハンター、異常気象を追う』(文春新書)、『いま、この惑星で起きていること』(岩波ジュニア新書)、『竜巻のふしぎ』『天気のしくみ』(共立出版)がある。

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