老後の生活では公的年金以外にどのような資産を頼りにするつもりなのだろうか(2024年公開版)
公的年金制度で公的年金は給付されるものの、それだけでは到底生活を維持することはできないのが実情。現状では人々はどのような資産を老後に備えて準備しているのだろうか。内閣府の世論調査「生活設計と年金に関する世論調査」(※)の調査報告書から確認する。
今調査の結果によると、老後の生活設計をしている人においては、公的年金が全面的に頼りになると考えている人は少数派なのが実情。
それでは公的年金以外で、どのような資産を老後に向けて準備したい、あるいは準備をした(している)と考えているのだろうか。複数回答で尋ねた結果が次のグラフ。もっとも多くの人が候補に挙げたのは「預貯金」だった。67.6%が選択している。
次いで大きく値を減らして「退職金」「NISA」「民間個人年金」が続く。「NISA以外の証券投資」は14.5%にとどまっている。また「国民年金基金」が1割台しかないが、これは元々自営業や自由業の人向けの制度で、会社員などは利用できないからに他ならない。
一方で公的年金以外に資産の準備をしない・しなかった人も少数ながら見受けられる。単純に楽観主義なのか、実家からの遺産相続などのあてがあるのかもしれない。
これを男女別に区分したのが次のグラフ。
男女の立ち位置や資産に対する見方の違いがよく分かる結果が出ている。男性は長期就業に携わっているケースが多いため「退職金」をあてにしている人が多く、また「NISA以外の証券投資」にも積極的。他方女性は「預貯金」の値が男性より大きく上回る結果となっている。また「民間個人年金」や「国民年金基金」なども合わせ、手堅い資産構築を選択する傾向が強いことがうかがえる。「NISA」は男女でほぼ同値。
最後に余談的な話だが、公的年金には失望している人が多いとの話がよく出てくる若年層における実情を。
全体の動向と大きな違いはないが、リスクの高い資産へはあまり注視をしておらず、「預貯金」「国民年金基金」のような安全性の高い資産へ積極性を示していることが分かる。また「NISA」の利用値も高く、男性で4割台、女性でも3割台となっている。世間一般に語られているイメージよりはるかに、若年層は将来に向けて堅実なものの見方をしているのかもしれない。
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※生活設計と年金に関する世論調査
2023年11月2日から12月10日にかけて日本国内に居住する18歳以上の日本国籍を持つ男女から層化2段無作為抽出法によって選ばれた5000人に対し、郵送法によって実施されたもので、有効回答数は2833人。男女比は1336対1497、年齢階層比は18~19歳52人・20代227人・30代309人・40代400人・50代498人・60代540人・70歳以上807人。
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