5人の選手を放出し、防御率6点台のリリーフ投手1人を獲得する。このトレードの損得勘定は!?
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11月16日、アトランタ・ブレーブスとシカゴ・ホワイトソックスは、1対5のトレードを成立させた。ブレーブスは、アーロン・バマーを獲得。ホワイトソックスは、マイケル・ソロカ、ジャレッド・シュースター、ニッキー・ロペス、ブレイデン・シューメイクに、ライリー・ゴーウェンズを手に入れた。
バマーは、30歳のリリーフ投手だ。今シーズンは、61登板で58.1イニングを投げ、奪三振率12.03と与四球率5.55、防御率6.79を記録した。
与四球率と防御率からすると、5人と交換する価値があるようには見えない。ソロカとシュースターとゴーウェンズは、20代半ばの先発投手。あとの2人は、20代後半のミドル・インフィルダーだ。ソロカとシュースターとシューメイクの3人は、ブレーブスがドラフトで1巡目に指名した。
ただ、バマーは、三振を奪うだけでなく、シンカーとスウィーパーを主体にゴロを打たせる。ファングラフスとスタットキャストによると、今シーズンのゴロ率は60%前後だ。また、その前の4シーズン、2019~22年は、計161登板の160.0イニングで奪三振率10.07と与四球率3.82、防御率2.59を記録している。ファングラフスによると、このスパンのゴロ率は70%を超えていた。左投手という点も、プラスのポイントだろう。
来シーズンは、5年1600万ドルの契約最終年だが、2025年と2026年の球団オプションがついているので、ブレーブスは、あと3シーズン、バマーを保有することができる。それぞれのオプションは、年俸725万ドル(解約金125万ドル)と750万ドル(解約金125万ドル)だ。
一方、ソロカは、2019年に174.2イニングを投げ、防御率2.68を記録したが、その後は故障に泣かされてきた。シュースターは、今シーズンがメジャーリーグ1年目。ゴーウェンズは、プロ1年目だった。
また、今夏にカンザスシティ・ロイヤルズから獲得したロペスは、2021年に打率.300と出塁率.365、22盗塁を記録したものの、ホームランは、5シーズンの通算544試合で6本しか打っていない。シューメイクは、5月にメジャーデビューし、2試合に出場しただけでAAAに戻された。AAAでは122試合に出場し、打率.234と出塁率.299、16本塁打と27盗塁、OPS.706を記録した。
ブレーブスは、ローテーションの人員に余裕があるからこそ、複数の先発投手を放出できたのだろうが、2人の野手はそう惜しくない、といったところだろうか。ホワイトソックスに移ったソロカとシュースターは、来シーズンのローテーションに入る可能性も低くない。
先月下旬から今月初旬にかけ、ブレーブスは、2人のリリーフ投手と延長契約を交わした。ピアース・ジョンソンと2年1425万ドル、ジョー・ヒメネスとは3年2600万ドルだ。そこにバマーを加え、ブルペンの整備は、ほぼ完了したように見える。彼らの他には、A.J.ミンターやタイラー・マツェックがいて、最後はライセル・イグレシアスが締めくくる。
ジョンソンの契約延長については、こちらで書いた。