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東京オリンピック改修工事前の有明で最後の公式戦となる「安藤証券オープンテニス東京2017」が開幕!!

神仁司ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト
左から安藤証券所属の奈良くるみ、安藤証券取締役社長の安藤敏行氏、安藤証券所属の日比万葉と田中優季、佐藤久真莉(写真/神 仁司)
左から安藤証券所属の奈良くるみ、安藤証券取締役社長の安藤敏行氏、安藤証券所属の日比万葉と田中優季、佐藤久真莉(写真/神 仁司)

 ITF東京大会(賞金総額10万ドル)にあたる「安藤証券オープンテニス 東京 2017(11月7日~12日本戦、東京:有明コロシアム・有明テニスの森公園)が開幕し、日本女子選手の活躍が期待される。

 この大会は、ITF(国際テニス連盟)女子テニスサーキットの大会の一つで、ワールド女子テニスWTAツアーより一つ下のレベルに位置し、主に世界ランキング100位台の選手がエントリーしてきて、トップ100入りを目指す。

 また、2018年1月に開催されるテニス4大メジャーであるグランドスラムの初戦であるオーストラリアンオープンを見据えて、選手によって本戦入りまたは予選入りを目指すことになる。

 この意味では、今回第3シードになった奈良くるみ(WTAランキング101位、10月30日付け、以下同)や第4シードの尾崎里紗(102位)は、オーストラリアンオープンの本戦入りのボーダーライン付近に位置するため、今週の戦いが非常に重要になってくる。

 グランドスラムの本戦は128ドローで、選手のエントリー状況にもよるが、だいたい世界ランキング104位が本戦ストレートインの目安となるので、奈良と尾崎は、東京で少しでも好成績を残してランキングを上げ、2018年オーストラリアンオープンの本戦出場につなげたい。

「シーズン終盤にあるこのような大きな大会は、選手それぞれに大きな意味があると思います」(奈良)

 安藤証券取締役社長である安藤敏行氏は、今回で3回目を迎える安藤証券オープンの位置付けを次のように語る。

「日本女子の10代の若手からトップ選手が集まる日本開催の国際大会は、たぶん他にはないんですよね。ここから若手はポイントを取ってグランドスラムを目指しますが、大事なポイントを取れる大会だと思っています」

 そして奈良は、安藤証券の所属選手であるため、安藤証券オープンというホームグランドで奮起して、少しでも上位進出を狙いたいところで、もちろん安藤氏も期待を寄せる。

「くるみは、この大会でベスト4に入るのが、オーストラリアンオープンの本戦インへ非常に重要になってくる。もし順当に行くと、準決勝で第1シードのジャン・シューアイ(36位、中国)と当たりますので、観客の方には一つの見どころになるかもしれません」

 ちなみにジャンは、すでにツアーのトップレベルで活躍している選手なので、本来なら東京大会に出場する必要はないのだが、大会を気に入っているため、安藤氏には自分が現役である限り毎年出場し続けたいと話しているという。

「日本人だけでなく中国人選手が出たいと言ってくれるのは、本当に嬉しい」と安藤氏は、大会がいい方向に進化している手ごたえをつかんでいる。

 また、ワイルドカード(大会推薦枠)を与えられて、16歳の内藤祐希(871位)と15歳の佐藤久真莉(1123位)が、ITF10万ドル大会の本戦の舞台に立つのも注目だ。まだ二人ともジュニア選手ではあるが、プロの一般大会でどれだけ力を発揮できるか、腕試しとなる。今後につながるようないい経験を是非とも積んでほしい。

 

 日本のテニスの聖地といわれる有明コロシアム・有明テニスの森公園は、12月から2020年東京オリンピック・パラリンピックの会場整備のため改修工事に入る。だから、現行の有明会場でのテニス公式戦は、安藤証券オープンが最後となる。

 その中で、2017年シーズンにラストスパートをかけて、うまく来季へつなげることができるのはどの選手なのか……。東京・有明での重要な戦いの火ぶたが切って落とされる。

ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト

1969年2月15日生まれ。東京都出身。明治大学商学部卒業。キヤノン販売(現キヤノンMJ)勤務後、テニス専門誌記者を経てフリーランスに。グランドスラムをはじめ、数々のテニス国際大会を取材。錦織圭や伊達公子や松岡修造ら、多数のテニス選手へのインタビュー取材をした。切れ味鋭い記事を執筆すると同時に、写真も撮影する。ラジオでは、スポーツコメンテーターも務める。ITWA国際テニスライター協会メンバー、国際テニスの殿堂の審査員。著書、「錦織圭 15-0」(実業之日本社)や「STEP~森田あゆみ、トップへの階段~」(出版芸術社)。盛田正明氏との共著、「人の力を活かすリーダーシップ」(ワン・パブリッシング)

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