【フレイル】とは?虚弱から要介護にならないタイプはこれ!介護福祉士がイラストでわかりやすく解説
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みなさん、こんにちは!認知症の支援サポーター『夢 はるか』です。
以前にご紹介した、年代別認知症予防の記事に、『フレイル』という言葉が出てきました。
今日は『フレイル』について、前回お伝えしきれなかった点を。3つのポイントから、イラストを交えて、わかりやすく説明していきます。
1 要介護状態の前段階
高齢になっても、誰もが急に要介護状態になるわけではありません。
少しずつ体や頭が衰え、だんだんと生活に影響がでてきます。
フレイルとは、要介護状態になる前段階のことをいいます。
フレイルの時期にどう対応するかで、その後の人生が大きく変わります。
現状を維持、または改善できるのか、それとも要介護状態になってしまうのか…
フレイルは、生活に何らかの影響が出始めているものの、生活機能の維持向上が可能な段階です。
フレイルになった人のうち、約3分の1の人が、健康を回復したという研究もあります。
本人の努力と適切な支援により、健康な状態に戻ることができるチャンスの時期なのです。
2 フレイルの判断基準
フレイルには、5つの判断基準があります。
1.体重減少
6ヶ月で2kg以上の(意図しない)体重減少
2.筋力低下
握力:男性<28kg、女性<18kg
3.疲労感
(ここ2週間)わけもなく疲れたような感じがする
4.歩行速度
通常歩行速度<1.0m/秒
5.身体活動
①軽い運動・体操をしていますか?
②定期的な運動・スポーツをしていますか?
上記の2つのいずれも「週1回もしていない」と回答
5項目のうち、3項目以上に当てはまると『フレイル』、1〜2項目は『プレフレイル』、該当なしは『ロバスト(健常)』となります。
(2020年改定 日本版CHS基準より)
また、社会的孤立・孤独・困窮からくる『社会的フレイル』や、認知機能低下や不安・抑うつなどを示す『精神・心理的フレイル』も存在します。
3 フレイルから回復するには
フレイルになると、気分の落ち込みからうつ病の発症や、転倒などによるケガ、病気による死亡の危険性が高まることもわかっています。
フレイルから回復するには、どうしたらいいのでしょうか?
実際にフレイルから回復した人の特徴を調べた研究があります。
この研究によると、フレイルの高齢者11,323名のうち、4,165名が約3年後には回復していました。
約3分の1の人が、フレイルから健康を回復していたことがわかります。
フレイルから回復した人には、以下のような特徴がありました。
・1日の歩行時間30分以上
・友人と会う頻度月1回以上
・毎日外出すること
(男女いずれも)
・野菜・果物摂取頻度毎日1回以上(男性)
・肉・魚摂取頻度週4回以上(女性)
サイト外リンク:要介護手前のフレイルから回復できる人の特徴は?
まとめ
フレイルは、要介護状態になる前の段階です。
そして、まだ健康な状態に戻ることができる時期でもあります。
定期的な運動習慣や、栄養バランスの取れた食事を心がけることで、フレイルから健康を回復した人は少なくありません。
先に挙げたフレイルの基準や研究結果を参考に、思い当たることがあれば、積極的に行動を開始していきましょう。