ヤンキースはブルペンがアキレス腱なのか。直近の6試合中5試合は、7回以降に失点あり
ワールドシリーズの第1戦は、ロサンゼルス・ドジャースが6対3でニューヨーク・ヤンキースを下した。1対2で迎えた8回裏に、ドジャースは同点に追いつき、10回表に2対3と再びリードされたものの、その裏にフレディ・フリーマンのグランドスラムで勝利を収めた。
ワールドシリーズのサヨナラ本塁打については、こちらで書いた。
◆「ワールドシリーズのサヨナラ本塁打はフリーマンが18人目。過去の17人はその年に優勝もしているのか」
ヤンキースのサヨナラ負けは、このポストシーズン2試合目だ。リーグ・チャンピオンシップ・シリーズの第3戦は、2点リードの9回裏にジャンケンジー・ノエル(クリーブランド・ガーディアンズ)のホームランで追いつかれ、同点の10回裏にデビッド・フライにホームランを打たれた。
終盤の失点は、2度のサヨナラ負けだけではない。直近の6試合中、7回以降に無失点だったのは、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズの第5戦しかない。
リーグ・チャンピオンシップ・シリーズは、第1戦が8回表に1失点、第2戦が9回表に1失点、第3戦が9回裏と10回裏に2失点ずつ、第4戦は7回裏に3失点と8回裏に1失点。そして、ワールドシリーズの第1戦は、8回裏に1失点と10回裏に4失点だ。
リーグ・チャンピオンシップ・シリーズの第5戦を含め、ここ6試合は、7回以降の計21イニング中8イニングで失点を記録し、計15点を取られている。
ただ、ここからの試合で、ブルペンがヤンキースのアキレス腱となるかどうかは、まだわからない。その前のディビジョン・シリーズの場合、7回以降の失点は、4試合の計12イニングとも皆無だった。
ワールドシリーズの第1戦を落としたのは、守備のミスが大きかったという見方もできる。
8回裏、大谷翔平の打球は、ライトを守るホアン・ソトの頭上を越え、フェンスを直撃した。ソトが素早く送球していても、二塁でアウトにすることはできなかっただろう。問題は、送球ではなく、捕球にあった。二塁手のグレイバー・トーレスは、ワンバウンドした送球を捕り損なって弾いた。その間に三塁へ進んだ大谷は、ムーキー・ベッツの外野フライで同点のホームを踏んだ。
記録は、ソトのエラー(悪送球)だが、トーレスが捕球するか、そうでなくても身体に当てて前に落としていれば、1死三塁ではなく1死二塁。もしかすると、この回の1点はなく、勝敗の行方も違っていたかもしれない。トーレスは、守備に難があるのに加え、不注意なミスも散見される。
ワールドシリーズの第2戦も、ヤンキースは、投手を除き、第1戦と同じ8人が同じポジションにつく。