39歳のバーランダーは、サイ・ヤング賞どころか、まさにサイ・ヤング!?
8月23日、ジャスティン・バーランダー(ヒューストン・アストロズ)は、限りなく完璧に近い投球をした。6イニングを投げ、被安打、与四球、与死球のいずれもなし。対戦した延べ19人のうち、アウトにできなかったのは、振り逃げの1人だけだ。アストロズは4対2で勝利を収め、バーランダーはシーズン16勝目を挙げた。また、シーズン防御率は、1.95から1.87に下がった。
ベースボール・リファレンスによると、38歳以上のシーズン(6月30日時点の年齢)に15勝以上&防御率2.00未満は、サイ・ヤングしか記録していないという。38歳の1905年が18勝&防御率1.82、40歳の1907年が21勝&防御率1.99、41歳の1908年は21勝&防御率1.26だ。バーランダーは、今年2月に39歳となった。
このままいくと、ア・リーグのサイ・ヤング賞は、バーランダーで決まりだろう。39歳以上のシーズンに受賞した投手は、1959年のアーリー・ウィン(39歳)、1978年のゲイロード・ペリー(39歳)、2004年のロジャー・クレメンス(41歳)しかいない。バーランダーは、2011年と2019年、28歳と36歳のシーズンに受賞している。
なお、ヤングは、37歳の1904年も、26勝&防御率1.97だった。37歳のシーズンに15勝以上&防御率2.00未満は、他に1人。1919年に、ベーブ・アダムスが17勝&防御率1.98を記録している。ちなみに、ジャスティンは本名だが、サイとベーブはニックネーム。それぞれのフルネームは、ジャスティン・ブルックス・バーランダー、デントン・トゥルー・ヤング、チャールズ・ベンジャミン・アダムスだ。
アダムスは、1906~07年、1909~16年、1918~26年の計19シーズンに、194勝140敗、防御率2.76を記録した。殿堂入りはしていない。制球に優れ、通算与四球率は1.29。なかでも、1919~22年の4シーズン中3シーズンは、与四球率が0.80に満たなかった。