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歴史的初戦で黒星…。サンウルブズ堀江翔太キャプテンが見た収穫と課題【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
相手をひきつけて真っ直ぐ放つパスの技術など、持ち味を発揮。(写真:田村翔/アフロスポーツ)

世界最高クラスのリーグ戦であるスーパーラグビーに日本から初参戦したサンウルブズが、2月27日、東京・秩父宮ラグビー場で南アフリカのライオンズと開幕節をおこない、13―26で惜敗した。

試合は前半6分、サンウルブズがスタンドオフのトゥシ・ピシのペナルティーゴールで先制。モールや単発の突破などで失点を喫したが、6-12のスコアでハーフタイムを迎えた。

6―19で迎えた後半18分には、フッカーの堀江翔太キャプテンのトライなどで13―19と差を詰めた。ここでのサンウルブズは、敵陣深い位置でボールを奪ったのち、右、左と大きく球を動かし、直後にフォワード陣の縦へのランを重ねていた。

準備期間の短さなどから下馬評は不利だったが、攻守ともに組織性を示した。試合後はマーク・ハメットヘッドコーチとともに堀江キャプテンが会見した。堀江は2013年度からの2シーズン、レベルズの一員としてスーパーラグビーを経験している。

以下、その時の一問一答の一部(各所で編集)。

――総括を。

「ライオンズ、フィジカルが強くて、スピードもありました。食い込まれたところもありましたし、何度もゲインを切られたんですけど、皆が負けたくない気持ちで挑んだ。しっかり戻って、守れた。試合を通じて、信頼できる仲間がどんどんできてきた。それで結果がついてこなかったのは悔しいです。シーズンはまだまだ長いので、このゲームから得られるものをしっかり得て、しっかり話し合って、次のゲームに歩みを止めないでいきたいです」

――(当方質問)収穫と反省。

「よかったとことはディフェンス。しっかり(攻防の境界線まで)帰ってタックルに行っていたし、上手いこと機能したかなと。ブレイクダウンでもカーキー選手(ナンバーエイトのエドワード・カーク)が絡んでいましたし。アタックも、ゲインは切れている。ただ、セットからのボール出しがよくなかった。それは僕らフォワードのせいだと思っている。もっと、バックスのためにフォワードが動ければなと。あとは、フォワードで行くところとバックスで行くところ(の分量のバランス)について、もう少しを話し合えたらなと思います」

――(当方質問)序盤はやや押し込まれたスクラム。時間を追うごとに修正を施しました。

「押し込まれる部分はあった。ただ2、3回組むごとに何とか対応できたの。(途中出場のプロップ山本)幸輝は、久しぶりの3番(右プロップ)かな(本来は左プロップ)? それはかわいそうなところだったけど、もっと長いこと話し合えば、強くなる。個人個人が、どう組めばいいかのアイデアを出し合えれば、もっとよくなると思いますね」

――サンウルブズの初トライは、堀江選手が決めました。

「スーパーラグビーでの(通算)2回目かな。ラッキーでしたよね。ぽんと置いただけなので。チームでゲインを切って目の前でぽんとおいただけなので、ラッキーかなと。

――スタンドの声援について。

「助かりましたよ。ライオンズ、非常にやりにくかったんじゃないですか。僕らのホームという感じだったし、僕らのモチベーションにもなりました。次もあれぐらい応援していただければ、もっといいゲームができる。来てくれた皆さんに感謝したいと思います。やらなあかんと思いました。いいゲームをしたと満足しないで、結果を出していきたい」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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