日本のはるか南海上の熱帯擾乱はフィリピン付近を指向か?
雲頂高度の高い積乱雲が増加中
タイトル画像にある通り、日本のはるか南の海上に大きな雲域がまとまっており、気象庁によると、このあたりに低圧部が解析されています。
低圧部とは周囲より気圧が低く、循環は認められるものの、その中心がハッキリとしない熱帯擾乱(ねったいじょうらん)の一つで、中心がハッキリしてくると台風の卵、熱帯低気圧に名前が変わります。
この低圧部あたりの雲形と雲頂高度を確認してみると、まず雲形はCb(積乱雲)の解析が目立っており、このCbに伴う雲頂高度は16000メートル以上で、簡単に言えば、低圧部周辺で雲頂高度の高い活発な積乱雲が盛んに湧きたっているということになります。
週明けにフィリピンの東海上へ
気象庁の予想では、低圧部周辺で積乱雲の活動は活発な状態となっていますが、あす18日(日)にかけて、特に熱帯低気圧に変わることはなく、低圧部のまま西寄りに進み、フィリピンの東海上へ到達する見込みです。
太平洋高気圧に北上を阻まれる?
フィリピンの東海上からの低圧部の動向を大きく左右するものは、その北側にある太平洋高気圧の張り出し方や勢力だと言えます。
もし沖縄付近での張り出しが弱まれば、低圧部はそのスキをつくように沖縄付近へ北上してくる可能性があり、実際おととい位まではそのような計算も散見されたのですが、最新の計算では、太平洋高気圧の勢力は衰えずに、低圧部はフィリピン付近に到達した後、南シナ海へ進むような計算が大勢を占めています。
また来週の半ば頃には太平洋高気圧が沖縄付近で弱まることを示唆する計算もありますが、高気圧が弱まる頃にはもう低圧部は南シナ海へ抜けている可能性が高いものと思われます。
以上のように、もし今ある低圧部が熱帯低気圧や台風に変わったとしても、太平洋高気圧がその北上を阻むため、沖縄付近へ北上してくる可能性はかなり低いと思われますが、時にはこれらの計算が一転することもあるため、今後も最新情報をお伝えしていきたいと思います。