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久しぶりに熱帯低気圧が発生、台風25号になるか?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
熱帯低気圧に伴う雲の様子(ウェザーマップ)

久しぶりに熱帯低気圧が発生

予想天気図(気象庁発表に筆者加工あり)
予想天気図(気象庁発表に筆者加工あり)

タイトル画像にある通り、フィリピンの東海上に大きな雲の塊が発生しており、気象庁によると、おととい7日(木)から低圧部が解析されていました。

低圧部とは、周囲より気圧が低く、低気圧性の循環はあるものの、その中心付近がハッキリとしない熱帯擾乱(ねったいじょうらん)のことで、中心付近が推定されるようになると熱帯低気圧に名前が変わります。

そして気象庁から発表されたきょう9日(金)午後3時の実況天気図で、この低圧部は熱帯低気圧に変わりました。この熱帯低気圧はあす10日(土)からあさって11日(日)にかけて、徐々に発達しながらフィリピンの東海上をゆっくりと北上する見込みです。

もし台風に発達すれば、先月(11月)半ばに、日本のはるか東海上で発生した台風24号以来、台風25号の発生ということになります。(気象庁の台風発生数

海水温は高いが?

海水温(気象庁発表に筆者加工あり)
海水温(気象庁発表に筆者加工あり)

気象庁が発表している海水温の状況をみてみると、新たに発生した熱帯低気圧が北上するであろうフィリピンの東海上は29度以上あり、台風が発生するには十分な海水温の高さとなっています。というのは、一般的に台風は海水温が26~27度以上の海域で発生すると言われているからです。

さらに北緯20度を越えて、沖縄の南まで平年より高く、海水温27度以上の海域が広がっています。

では新たに発生した熱帯低気圧は今後台風になるのかというと、実は台風の発生は海水温の高さだけではなく、大気の状態も重要な要因であり、例えば、上空に乾いた空気や冷たい空気が流れ込む場合など、いくら海水温が高くても、台風へ発達しない、あるいは発生しても発達しないことが多々あります。

現在、沖縄の南まで海水温は高いものの、大陸からは冷たい空気が南まで氾濫するような状態となっており、台風にまで発達するかどうかは微妙な状況です。

またもし台風へ発達したとしても、北緯20度付近まで上空の西風が南下していますので、沖縄付近まで北上する可能性は小さいと思われます。

ただ今後の情報にご留意ください。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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